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既存製品にはないユニークな形状と動作を持つ、安価で堅牢な「小型液体吐出ポンプ」株式会社昭洋精機

2019.03.14

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自社開発の「小型液体吐出ポンプ」。価格は35,000円(税抜)と安価ながら堅牢

学ぶべきポイント

  • アルミ加工という基幹事業を展開し、なおかつ自社製品を開発
  • 自社技術の強みを新たな製品開発に活かすフレキシビリティとチャレンジ精神

昭洋精機はアルミ加工を中心に20台以上の高性能マシニングセンタによる昼夜稼働を20年程前から実施。「顧客満足」を第一に、顧客志向のコスト・納期・品質の実現を目指し、加工技術を磨いてきた金属加工会社だ。

アルミ加工技術に特化し、高品質・低コストを追求する同社は「前進する金属加工のパイオニア」を目指して事業展開してきた。さらに、顧客からの受注生産のみではなく、これまでの経験で培った技術力を応用した製品開発も意識してきたそうだ。例えば、25年程前には、業務用のCD・CD-ROM、DVDのクリーニング機器を開発し、大手ソフトレンタルメーカーや中古ソフト販売業者のニーズに対応してきた実績がある。しかし、インターネットの普及によって需要が低下すると、次なる製品開発に取りかかった。そうして進められた製品の一つが「小型液体吐出ポンプ」だ。産業機械における潤滑油、切削油、消泡剤、研磨材溶液等の供給や、食品製造における調味料の添加、水耕栽培における肥料や農薬の注入などに使用されている。

同社の代表取締役 佐藤貴氏に伺ったこの製品の特長をまとめると以下の通りだ。
〇自社のアルミ加工技術を活かした低価格設定
〇金属加工のため、樹脂成型品よりも堅牢
〇チューブの寿命は長く、交換も簡単。通常のチューブポンプはチューブ径を変えられないが、本ポンプはチューブ固定台(3,000円)を変えるだけで良い
〇チューブの長さ、方向の使用箇所を簡単にずらすことが可能
〇扁平になった場合チューブの90°回転が簡単にできる
〇通常のチューブポンプは円形で、中心にローラーを2~4個回転させチューブをしごいて液体を送り出すため、チューブの扁平化とチューブ内面の剥離が発生しやすい。しかし本ポンプはプランジャーによりチューブの外から押し出す。特に3本のピストンがあり、中央のピストンでチューブを押し、チューブ内容積を小さくして吐出するため、チューブの扁平化と剥離が発生しにくい
〇生化学で細胞をポンプに送る際、他社製品に比べて、細胞を傷つけにくいという評価を医療機器メーカーから得ている

小径チューブ用の固定台

「今後は新価値創造展のような展示会でのPRや販売、業界新聞での製品告知に力を入れていきたい。インターネット販売なども展開していく予定です」と佐藤氏。
現在、機械装置メーカーの2社から受注を受けているという。2社ともに、自社製品に組み込んで販売することを目的としているそうだ。さらに化粧品をはじめ食品調味料の添加用機器といったものから、装置機械の保守潤滑、研磨剤の供給用など、また、医療関連の機器などへの使用に関する問い合わせも来ているとのこと。
製造設備や機械関係だけでなく、養魚場での設備や、研究所など、その役立つシーンは多種多様といえる。同社では、カスタマイズ対応にも力を入れることで他社との差別化や市場開拓を狙っているという。

そもそも「小型液体吐出ポンプ」の開発は、それ以前に開発が進められていた別の製品、「加湿暖房機」に使用する「ポンプ部分の性能が良い」と評価されていたことに端を発していたという。このため、製品から分離して、ポンプ単体での開発が進められるようになったのだ。こうした開発エピソードからも、同社の開発に対する柔軟な姿勢(=フレキシビリティ)が感じられる。アルミ加工という基幹事業だけにおさまらない独自の製品開発を進めるチャレンジ精神が、同社の事業を成長させているようだ。

取材日:2019年2月25日

 

企業情報

株式会社昭洋精機

主要事業は機械部品の切削加工であるが、自社商品としてCD・CD-ROM・DVDのクリーニング機械を自社開発し、かつ市場開発もして自社商品は大きく企業業績に貢献してきた。しかし上記の商品が落ち込んできているので、新たな商品として小型液体吐出ポンプの開発に取り組んできた。

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