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マラリアやデング熱等の感染症の原因となる「蚊」の発生を長期的に抑制する「ゼロモズ」株式会社ZERO MOZ JAPAN

2018.12.18

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製品名であり、社名の由来でもある「ゼロモズ」は、「モスキートをゼロにする」を意味する

学ぶべきポイント

  • 蚊の発生を制御することで、感染症を抑制
  • 自然環境に負荷をかけず感染症を減らし、世界各地の安定した社会づくりに貢献
  • 長崎大学との産学連携で、感染症に関する知見を得る

現在、マラリアは世界3大感染病の1つとして、地球規模で解決すべき重要課題となっている。毎年、世界で5億人近くがマラリアに感染し100万人以上が死亡していることは見過ごせない事実だ。また感染の90%以上がサハラ以南のアフリカに集中し、その中でも5歳以下の幼児の死亡率が高く、30秒に1人の割合で命を亡くしているという。

マラリアの発生地図

マラリアやデング熱といった感染症は、「蚊」による人体への媒介が原因となっている。この、世界的な問題と言える「蚊」の発生を、自然環境への負荷をかけずに、長期的に制御するために開発された製剤が「ゼロモズ」である。

ゼロモズは、蚊が幼虫(ボウフラ)の時にその効果を発揮。卵から成虫になるまでのすべての段階でホルモンのバランスを崩させ、成虫になることを阻害し、99.95%の蚊の成長を阻止する。またゼロモズのその他のメリットとしては①安全性が高い、②ローコスト、③使いやすい(蚊の発生源の水たまりなどに入れるのみ)、④安定的で6カ月間、長期的にコントロールできる、という点が挙げられる。
蚊を根絶させるのではなく、蚊が成虫する前のボウフラのまま成長を止めさせてしまうという、今までの殺虫剤散布などの手法とは、全く視点を変えた考え方が、新規性を感じさせる。特に、幼虫のボウフラのままなら魚の餌になるため、生態系を傷めることもなく一石二鳥だ。

ゼロモズの設置場所。蚊が発生しやすい水路などに使用する

ゼロモズ開発の経緯について、株式会社ゼロモズジャパンの代表取締役 岩下 智明氏にお話を伺った。
「私は元々、水質浄化の会社を経営し、研究に携わっていました。仕事で海外に行き、ジャングルの中に入る機会も多かったのですが、現地の方から感染症の原因になる『蚊』を抑制する製剤を開発してほしいという要望が多々ありました。
日本でもマラリアは古くから沖縄の八重山諸島や熊本の天草で発生している歴史があります。またデング熱は、数年前に東京の代々木公園で発生したことがニュースとなりました。どちらも蚊が原因ですが、アフリカなどの国々と比べると蚊による感染症の被害は多くありません。開発途上国の場合、安定した生活ができないために内乱が起きてしまうようですが、その原因の一つがマラリアなどの感染症の蔓延ともいわれています。
『蚊』を抑制する製剤を開発すれば、感染症によって亡くなる幼児の死亡率も低くなります。そして開発途上国の人々も安心して暮らせるでしょう。このような社会的使命も後押しとなって、2010年に水質浄化の会社とは別にゼロモズジャパンを立ち上げることになりました」

岩下氏の前社での経験を活かしながら製品開発が行われ、ゼロモズの開発途上国への普及をメインに事業を展開するようになった。現在ではアジア地域ではバングラデシュ、ミャンマー、マレーシア、そしてアフリカではチャド、アンゴラ、中南米ではメキシコ、ホンジュラスといった国々に現地の商社を通じてゼロモズを普及させている。

近年では、初めての現地生産がバングラデッシュで行われる予定である。今後はその他の国々でも現地生産を進めていく方針だ。現地生産することで各国の雇用創出につながること。製造コストや原料価格が下がり、低価格で提供できるため、国がゼロモズを買い上げる機会が増えるというメリットがある。

日本から世界に向けて事業展開を進めているが、とりわけ開発途上国において、ゼロモズの需要はますます高まっている。世界の人々がより安心して暮らすことができるように、その一助になることがゼロモズの使命だと語ってくれた。

取材日:2018年11月14日

 

企業情報

株式会社ZERO MOZ JAPAN

自然界の素材を使い人と地球環境に優しい商品を開発し、人々が安心して生活できる環境を作ることを目指し、安心で安全で手間がいらないをコンセプトに装置、製品などを専門機関や大学と共同で開発に取り組んで日々、邁進しているベンチャー企業です。

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