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ビジネス向けロボティクス最前線

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2016.07.19

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ビジネス向けロボティクス最前線

  • ロボットビジネスが新しい時代を迎えている。 2014年に「第3次ロボットブーム」として注目を集め、「日本再興戦略」として現在もさまざまな取り組みが続くなか、本格的な事業化に向けて着実な動きが見られるようになってきた。 いま求められる「実際にビジネスになるロボット」とは? 

産業構造を変えてしまいそうなロボティクスの進化

「第3次ロボットブーム」といわれてから2年が過ぎ、言葉としてのブームはすでに旬の時期を過ぎた。当時「今度はホンモノ」といわれたブームに実体はともなっただろうか?その答えはともかく、ここ数年の潮流は一過性のものではなく、さまざまなジャンルで現在も進行中といえる。 なかでも 「ヒューマノイド」「ドローン」「モビリティ」「パワーアシスト」の4ジャンルでは、数年前には考えられなかった技術が登場し、それぞれ新しいビジネス領域が誕生している。 ヒューマノイドでは「Pepper(ペッパー)」が発売され、意外にもB to Bの市場を切り開いた。ホビーの空撮から生まれたドローンは、いまや物流における期待を担っている。クルマの領域では自動車産業のプレイヤーではなかったITの巨人たちが次の覇権を狙っており、人の力をアシストするデバイスは福祉分野にとどまらない広がりを見せている。 これらの状況を見ると現在のロボティクスは、ブームどころかこれまでの産業構造を大きく変えるほどの影響力を持っていることがわかる。

直面する大きな課題と乗り越えた先に見える未来

一方で、ここにあげた4ジャンルにおいても、すべてが順調というわけではなく、むしろいま一つの転換期を迎えているともいえる。 ヒューマノイドは、最初のインパク トの段階を過ぎ、次に打ち出す新しい機能(おそらくはAI:人工知能)をどう実装するか。ドローンは航空法の改正によりルール作りが進む段階になり、都市部でいかに運航するかという課題。 自動運転は2020年に向けて政府が規制を緩和するなか、実際の交通システムにどうやって組み込んでいくか。そしてパワーアシストは、それを必要としている人たちが無理なく使うための環境整備と、社会にロボティクスを取り入れるための大きな課題に取り組んでいるところだ。

2020年に向けたさらなる進化へ

10年前、ビジネスとしてロボティクスに取り組むほとんどの企業が産業用 ロボットメーカーだった。しかし現在、さまざまな業種の企業で、ロボットやAI、IoT(モノのインターネット)などのテクノロジーが基礎教養と化している。 これまでほぼ市場がなかったサービスロボット分野も急成長が見込まれており、医療・介護系や、交通系、コミュ ニケーションなど、さまざまな分野で利用されるロボットを提供すべく、従来の事業から転換を図る企業や新規参入した企業も数多い。 政府が成長戦略の重点項目としてロボット産業の拡大をあげていることも 理由の1つだが、背景としては少子高齢化による労働人口の減少にともなう労働力の補充にロボットを利用したいという思いや、インターネットビジネスで世界に後れを取った経験を糧に、日本のお家芸であったロボットジャンルでのアドバンテージを維持したいという希望もあるだろう。

2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催される。5カ年計画である「ロボット新戦略」のゴールの年でもある。2015年に1.6兆円だった国内ロボット産業の市場規模はこの年、2.9兆円に達すると予測されている。さらに2035年には、日本の人口は1億909万人に減少し、この年、日本のロボッ ト産業の市場規模は9.7兆円に膨れ上がる見込みだ。 ロボティクスの進化にとって、大きな転換期が訪れようとしているいま、各企業が最前線でどのようにビジネスを本格化していくのか、これからの動きに目が離せない状況だといえるだろう。

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