BreakThrough 企業インタビュー

超高齢化社会における在宅での生活を支援
介護リフォーム事業が「困った」状況を改善する株式会社ユニバーサルスペース

2018.02.28

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手すりをつけるだけで高齢者の自立した生活の大きな手助けとなる

summary

  • 知識・経験を異業種に持ち込む
  • 手すりが1本あるだけで高齢者の自立生活支援になる
  • 独自システムで施行期間の大幅短縮に成功
  • 介護リフォームの認知度向上に尽力

前職の知識・経験を介護業界で生かす

日本は世界に類を見ない早さで少子高齢化の波が押し寄せていることはすでに周知の事実。2015年には要介護(要支援含む)認定者数は620万人を超え、介護費用も10兆円を超える一方で、介護施設が破産するといったニュースを目にする機会も増えてきた。

「家の状況が変わるだけで、高齢者の生活の解決策になる」そう語るのは株式会社ユニバーサルスペースの代表遠藤哉氏だ。同社は、高齢者が自宅で自立した生活が送りやすいよう、風呂やトイレ、階段などへの手すりの設置や、高齢者の転倒の原因に多い段差を解消する、といった「介護リフォーム事業」を手がけるベンチャー企業だ。

建築業界で11年間、主に新築住宅建築に携わってきた中で唯一1件のみ、新築住宅ながら介護のために手すりを取り付ける工事を経験した遠藤氏。その1件のニーズが同氏を介護リフォーム事業展開へと大きく突き動かした。
「当時の介護の状況は全然分からなかった」としながらも、手すりの設置や段差の解消といった小さな介護リフォームは、将来的に必ずニーズがあり、自身の持つ建築の知識が生かせると直感したという。

飛び込む勇気と信頼の積み重ね

「困っている人がたくさんいて、“困った”というニーズに対応していっただけ」と遠藤氏は謙遜するが、同社が手がけた介護リフォーム事業の実績は2010年から2015年にかけておよそ10倍と急成長している。同事業は順調に施工実績を積み重ねているが、ここまでの道のりは決して平坦なものではなかった。

介護業界に対する知識や営業経験はほぼゼロに近く、開業から半年間はどうしたらいいかわからない状態が続いた。建築の現場経験とわずかばかりの接客経験を武器に、介護サービスの窓口となる地域包括支援センターのケアマネージャーへ、ひたすら営業する日々だったと振り返る。
介護を目的とするリフォームでの初受注をきっかけに「速さ、安心・安全さ、安さ」を武器にして、介護業界との信頼と関係性を築き上げてきた結果、2017年には6千件以上の介護リフォーム施工数に到達した。

クラウド化による連携強化で効率化を実現

介護リフォームは手間の割に売上金額が小さく、収益化が難しい。そんな現状にあっても同社が事業として成立させることができたのは、図面、見積書といった手間のかかる書類作成をシステム化し、通常よりも大幅に短い期間での介護リフォーム施工を実現した結果、低価格でも施工数をこなすことで収益化できる構造にしたことだ。

同社のシステム化されたビジネスモデルは、「介護リフォーム支援システム」としてビジネスモデル特許を取得した。要介護者とケアマネージャー、福祉用具業者といった関係各社の連携をクラウドで管理できるようになり、効率化することで、高齢者のニーズによりスピーディな対応が可能になるという。

日本はもちろん、世界が迎える問題を解決するために

しかし、世間一般における介護リフォームの認知度は低い。遠藤氏は「若いうちは怪我が原因で自宅に戻れなくなるかもしれないことや、介護が必要になる状況を想像することが難しい」ことも認知されにくい理由の一つとして分析している。

高齢者の自立支援は日本の近い将来において、最重要課題といっても過言ではない。同社は超高齢化社会を目前に、無料研修体験会などを開催し、介護リフォーム事業を普及させるべくフランチャイズ化に尽力する日々を送っている。

高齢化の波は日本固有の問題ではなく、世界各国が迎える問題でもある。「言葉は通じなくても身体が老いることは世界共通」と考える遠藤氏は、介護リフォーム事業者として日本だけでなく、世界に対してもリフォームの必要性を発信し、同社のサービスをより多くの方に提供することを目指している。

厚生労働省の推進する地域包括ケアシステムにおける自立生活の支援には、同社のような介護リフォームへの取り組みは非常に重要だ。高齢者自身、見た目は元気でも本人すら気付いていない“何らかの問題”を抱えていることも少なくない。
また、極力介護支援は受けたくない、自宅で自立した生活をしたいと望む高齢者は非常に多い。同社の姿勢に見る「望む声に応えること」こそ本当の意味での生活支援だと気付かされる。
バリアフリーという概念で見ていくと、高齢者支援だけでなく、障がい者支援にも応用は可能だろう。また、自宅リフォームだけでなく、公共機関や飲食・娯楽施設のリフォームも、高齢者が自立した生活を送るための間接的な支援となりそうだ。

企業情報

株式会社ユニバーサルスペース

〒244-0003 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町3002

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