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人材不足の介護現場の問題を解決
薄型加重センサーを応用した見守りシステム株式会社アール・ティー・シー

2018.02.20

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ロボットやスマートウォッチにも対応。5つの「安」をコンセプトに誕生した「つながる見守り支援機器」

学ぶべきポイント

  • 問題解決を目的とした製品開発
  • 要素技術を多彩に応用する企画・開発力

超高齢化社会の急速な進展と裏腹に、高齢者福祉施設などでは人材不足が深刻化している。そんな介護の現場を支えようと開発されたのが、株式会社アール・ティー・シーによる薄型加重センサーを応用した「つながる見守り支援機器」だ。これは、ベッドのマットレス下に敷いた2枚のセンサーによって利用者の体動を常にモニタリングし、離床を事前に検知・通知して事故や徘徊を防止するものである。カメラを使わないのでプライベートは確保され、部屋の施工も必要ない。センサーはマットの下なので寝心地にも影響はなく、視界にも入らないので日常生活に違和感を与えることもない。

製品名の「つながる」には2つの意味がある。まず、離床信号はWi-fi信号で伝達されるため、パソコンやスマートフォンはもちろん多様な機器と「つながる」こと。近年導入が進んでいるコミュニケーションロボットやスマートウォッチなどとも信号を共有でき、利用者がベッドを離れたことを知らせてくれる。もう一つの「つながる」は、他のシステムとの連携が可能であること。利用者が何時に起き何時に寝たかといった情報がセンサーを通じてすべて記録できるため、例えば既存のシステムと連携して介護記録作成業務の一部を自動化するなど、大幅な省力化を実現する可能性を持っている。

利用者の「安全」、家族の「安心」、介護従事者にとっての「安易(使いやすさ)」、施設経営者にとっての「安価」、販売者にとっての「安定供給(すべて自社生産のため)」。同社ではこの5つの「安」をコンセプトに、約3年の期間を要してシステムの開発を進めてきた。苦労したのは、ベッドの上の利用者の体動を正確に検知するためのセンサーの調整、そして簡単な操作性や見やすい画面といった「安易」を実現するための作り込みだったという。2018年2月現在、既に医療機関におけるトライアル実証実験に入っており、2018年4月より本格的に販売していく予定となっている。

エレクトロニクスとセンサーの技術を核に多様なマーケットへ製品を送り出す同社だが、介護の分野では初めての製品となる。しかし今後多くの機器を開発していくというより、これを上記のように他のシステムと連携させていくことで介護現場の業務改善を実現していきたいと語る。同社では介護にとどまらず、リハビリやヘルスケアなども含めた大きなマーケットを「命のインフラ」事業と位置づけており、自社の要素技術を応用してこうした命と健康にかかわる分野にソリューション提供していくことを今後の一つの方向性と捉えて取り組んでいる。

  • 製品リリース後は全利用者のデータをクラウドで管理し、ビッグデータとして活用する構想となっている。例えば利用者一人ひとりの動きの特徴を分析して離床の予知の精度を上げたり、年齢や性別、介護度数などと併せて特徴分析することでアカデミックな研究に反映したりといったさまざまな活用方法が考えられる。データの蓄積に従いさらにシステムとして進化していくことになる、この「つながる見守り支援機器」の未来の姿が楽しみだ。

企業情報

株式会社アール・ティー・シー

エレクトロニクス技術とセンサー技術を応用した製品の研究開発~設計~モノづくりまで社内一貫対応でお客様に新たな価値を提供します。医療・介護、産業機械・ロボット電装等電子機器に関する基板・モジュール部品・完成商品の製造に関することは弊社にお任せください。

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