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従来品では難しかった狭所などでの除電を可能にする静電気除去器フィーサ株式会社

2020.03.03

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厚さ5mm程度の電極全体から平面上にイオンを発生する

製品名=「イオンブレード」

点ではなく面でのイオン発生でムラなく均一に除電できる

フィーサ株式会社の「イオンブレード」は、平面上の電極全体からイオンを発生させることで、物質に帯びた静電気を除電・中和する静電気除去器だ。イオンは点ではなく面状に発生するため、ムラのない均一な除電が可能になる。また従来品に比べ必要電圧が半減したことで、塵埃の静電吸着も極端に減少。これにより除電能力を維持できる期間が長期化したほか、清掃頻度の減少にもつながり、メンテナンスコストは同社従来品比で約40分の1に低減したという。

さらに、同製品は曲げることもできるため、基板や隙間に貼りつけたり、丸いリング状にしたりと、生産設備や現場の特性に応じてさまざまな形状に加工することが可能だ(写真②)。

高電圧で塵埃を引き寄せるという従来品の課題を解決

コロナ放電式といわれる従来の方法による静電気除去器は、針状電極で高電圧を印加※し、イオンを面ではなく点で発生させている。同社も以前は採用していたというこの方式には、4000~7000Vという高電圧を要することに加え、その高電圧によって周囲の塵埃を引き寄せてしまうという課題があった。また、頻繁に清掃する必要があるのに清掃がしにくいという難点もあり、狭所での除電対策としての活用には適していなかった。

その課題を解決したのが、産業技術総合研究所から推薦された「誘電体バリア放電方式」だ。1000〜3000Vの電圧でイオンを発生できるこの方式を静電気除去器に採用するため、同社は形状の最適化や電源の開発、製造コストの低減などさまざまな課題をクリア。マイカ素材の誘電体上にステンレス材を用いた微細電極によって構成される厚さ5mm程度の同製品が誕生し、塵埃の静電吸着の減少に成功した。狭所や近接した場所での除電も可能になり、従来品では困難だった紙やフィルム、ガラス基板の搬送工程での近接除電をはじめ、自動検査装置や搬送装置などへの組み込みにも適した機器となっている。
※電気回路に信号を送ったり、電圧を加えたりすること

電極と電源のみの販売も視野に

同社はこれまで、同製品を搭載したファンタイプ、バータイプの機器をリリースしてきたが、今後は静電気除去器の組み込みがさらに困難な狭いスペース、近接した箇所に対応していくため、電極と電源のみの販売も検討中だ。実現すれば、外観検査装置や選別機、テーピングマシン、小型プリンターなどへの組み込みも可能になるだろう。

製造ラインの高効率化や各種機器の高付加価値化を考える際、同製品がその実現を後押しする可能性は小さくないと言えそうだ。

取材日:2019年12月25日

 

企業情報

フィーサ株式会社

1961年創立。面放電のイオン発生素子をもとにした静電気除去器をはじめ、ホットランナー(プラゲートシステム)成形装置、LIM(液状シリコーンゴム)成形装置のメーカーとして、主に自動車や家電業界に向けた自社製品の開発製造販売を一貫して行う。

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