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プレス工程内でのタップ加工を可能にし、生産性を向上株式会社古賀機械製作所

2019.08.27

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「順送プレス金型内タップユニットST」を取り込んだプレス機(赤い部分が同タップユニット)。右上が「順送プレス金型内タップユニットST」の実物

製品名:「順送プレス金型内タップユニットST」

「月100万円単位」のコストダウン例も

各種金属パーツなどを大量に生産するプレス加工現場では、タクトタイムが速いために「タップ加工は別工程」となるのが一般的だ。これが生産性の向上をはばむ要因の一つとなるが、古賀機械製作所が開発した「順送プレス金型内タップユニットST」を導入すれば、「プレス加工の工程の中にタップ加工を組み込む」ことができる。

導入の効果としては、まずプレス加工を施した後の検品からタップ加工に進むまでの間に生じる「停滞時間」の削減が挙げられる。また、タップ加工業者への外注費の抑制も可能。製造品1個あたりにかかるタップ加工費の単価が仮に数円だとしても、毎月の生産数が数万個規模の企業であれば、年間の負担額はかなりの金額に上るはずだ。あるいはタップ加工を内製化していた場合には、労力の削減を実現。更に後処理コストの抑制にもつながり、「月に100万円単位のコスト削減につながった」という企業も登場している。

※資材上に直接ネジを止め付けるためのネジ跡(雌ネジ)を形成するために行う加工。

タッピングを精密にコントロール

「順送プレス金型内タップユニットST」は、プレス機の下金型内に内蔵する形で使用する。プレス順送工程の流れの中で、ワーク(加工対象物)が下穴加工されたその直後に、同製品の高性能サーボモーター駆動によって、タップ加工を施す仕組みだ。プレス機械のプレスストロークや終了する角度に合わせて、タップユニットによるタップの開始点と完了点、またタップ送り速度や戻り速度をコントロールユニットで制御。プレス回転数に同期させてタッピングを行う。

近年タップ加工を請け負う業者が減少傾向にあり、外注先の受注能力が限られるため、一定の内製化で対応せざるを得ないという企業は少なくないだろう。しかし、内製化を行うと、必然的に工数、作業に必要な人員が膨らみ、コスト増や生産効率の低下といった問題が顕在化することになった。そうした中、「プレス加工とタップ加工を同時にできる装置をつくれないか」との依頼をきっかけに本製品が誕生した。

すぐれた耐久性、耐熱性、ズレへの対応

「順送プレス金型内タップユニットST」は、現場の「声」を出発点としているだけあって、さまざまな工夫が凝らされている。タップユニットを金型内に内蔵するにはまずは小型化する必要があり、また何十、何百トンのプレス機の中で動き続ける耐久性が不可欠。焼き付きを防止するための金属素材の選定、強度を見極め、タップ折れ加工精度に求められる先端軸の「ゆらぎ構造」の採用によって、下穴の位置ズレや材料の振動を吸収するようにした。精確なタッピングは、未加工品の発生などの低減にも貢献する。

すでに家電製品業界、金属加工業界、精密機器業界などに納品の実績があり、加工・整形・機械部品などに活用可能。とりわけ、金属プレス加工業で家電部品や建築金物、乗り物のパーツなどを製造するメーカーに最適だという。

導入にあたっては、導入先企業での使用環境をヒアリングした上で、ワークの材質や厚み、タップサイズ、タップユニットの軸数、並目・細目(ピッチ)の規格、プレス回転数などを把握。これらの情報を踏まえてシステムユニット一式の納品となる。その後、導入先企業での金型設計・製作・取付を経て、必要に応じて同社による導入後の動作確認などのサポートも提供する。

この「順送プレス金型内タップユニットST」が示すように、古賀機械製作所の強みは「現場発の悩み」に呼応するオリジナル製品の開発力。次の展開が注目される。

取材日:2019年7月1日

 

企業情報

株式会社古賀機械製作所

自動化装置、専用機、加工機の開発・製造を行うメーカー。ロボットシステムインテグレータとして培った技術と、2000を超える機械製作で得たノウハウを結集し、タップ加工機、切断機、プレス加工機、ロボット技術を活用したシステムなどを提供。生産現場の自動化や省人化に関する課題の解決を目指す。

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