PICK UP

「化学研磨処理」なら多種多様な金属製品を安価、短納期で研磨できるミナミ化工産業株式会社

2019.11.05

SHARE
  • facebook
  • twitter

研磨は化学研磨処理液に対象物を浸すだけ。写真はチタン合金の製品を研磨している様子

技術名=「化学研磨処理」

サイズ、形状、材質を問わず、幅広い金属の処理が可能

「化学研磨処理」とは、金属製品の表面にある微小な凸凹や汚染層などを、化学反応によって除去する研磨手法。金属を処理液に浸し、表面の微少な凸部を優先的に溶解させることによって、表面を平滑化していく。

この化学研磨処理の大きなメリットは、チタン合金やステンレス鋼といった、削りにくいために物理的な機械加工が難しい素材でも、容易に研磨加工できることだ。処理の方法が製品を処理液中に浸すのみであるため、「バフ研磨」※1や「電解研磨」※2などほかの研磨方法と比較しても簡単で、安価かつ短時間で研磨が行える。さらに、ほかの方法では研磨が難しい複雑な形状の製品、微小な製品、大型の製品にも対応できるなど、利点は多い。

※1布や紙でできたバフを金属の表面に回転させながら当てて研磨する手法
※2電解液中に金属を入れ、金属にプラスの電流を流して熔解させることで研磨する手法

非鉄金属の洗浄技術を生かし、独自の研磨液と研磨手法を開発

長年にわたって金属製品の表面処理などを手がけてきたミナミ化工産業株式会社では、非鉄金属を洗浄する際、さまざまな薬品を用途に合わせて調合・使用する技術を磨いてきた。

その調合技術をもとに、エッチングの原理を応用した独自の化学研磨処理液と研磨手法を開発。ほかの手法では難しい条件でも研磨が行える、化学研磨処理を実現した。

開発においては、県の公設試験研究機関や県外企業との共同開発なども実施。既存顧客からは、製品の仕上りについて高い評価を寄せられている。

化学研磨処理の導入フローは、まずは同社の技術部が、製品の材質や使用用途に合わせて、処理液の組成や処理条件の基礎試験を実施。その後、工場内での大規模な量産試験を経て、製品化という流れになる。

精度が求められる航空宇宙産業分野にも製品を提供

独自処理液の開発などで品質を高めた同社の化学研磨処理技術は、現在、精密な研磨仕上げが求められる航空宇宙産業の分野で活躍。大型チタン合金製品の表面仕上げのシーンで、溶接時の欠陥を防ぐ前処理、加工時に生じた酸化物汚染層の除去などに使われている。

航空宇宙産業同様、仕上がりの精度が必要な医療機器分野などにもニーズは隠れていそうだ。そんな同技術を求め、現在全国のさまざまな企業から試作依頼が届いているという。

現在はより付加価値が高い精密研磨が求められる分野への参入を目指し、化学研磨処理のメカニズムなどについて大学との共同研究も実施している。さらに、鉄鋼やステンレス鋼の板材製品の厚さ調整用の処理技術、またステンレスのシート材を製品形状に加工する処理技術としての活用についても検討中。要求スペックが一段と高い「鏡面研磨」などへの対応に向け、急ピッチで開発を進めている。

取材日:2019年7月25日

 

企業情報

ミナミ化工産業株式会社

金属の化学洗浄などの技術を提供するエンジニアリング企業。造船・発電プラント・航空宇宙など重工業分野の製品に対する金属表面処理をとりわけ得意としている。航空宇宙関連の化学研磨、不動態化処理* といった高精度、高品質な処理技術を有し、航空宇宙産業における国際品質マネジメントシステム規格「JIS Q 9100:2016」の2020年までの取得を目標としている。

*ステンレスの劣化(サビ)を防ぐため、表面にクロム酸化膜(不動態膜)と呼ばれる薄い膜を施す処理

企業情報ページはこちら

SNSでシェアしよう

関連記事