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最新技術と演算処理でカラー写真をよみがえらせる「褪色カラー写真のデジタイズ復元」株式会社アイワード

2018.03.28

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経験値と最新技術でカラー写真を復元
産学官連携による「褪色カラー写真のデジタイズ復元」

学ぶべきポイント

  • 常に高いレベルの復元を目指し続ける向上心
  • アイデアを着想後すぐ具現化できる技術力

技術力が要求される微細品へのめっき

設立から半世紀を超え、ブック印刷事業や情報処理・システム開発事業などを手がける株式会社アイワード。北海道に本社を構える同社では、地元の大学や研究機関と協力し、2014年から褪色した写真のデジタイズ復元事業に着手。産学官連携で、科学的な演算処理や最先端の技術を駆使して、劣化して本来の色が失われた写真をカラーでよみがえらせる試みを続けている。

同社が取り組む「褪色カラー写真のデジタイズ復元」は、美術館や博物館、大学などで保存されている褪色カラー写真を、ポジフィルムに残る色情報を基に本来のカラー写真に復元するサービスだ。もともとブック印刷や図録などの高級カラー印刷を得意とする同社では、美術館などに保存されているポジフィルムが経年劣化しているケースが多いことに気づき、2014年に同サービスのプロトタイプ版を発表。発表当時もある程度復元は可能だったが、より高度な復元を目指し、2015年に北海道大学と、2016年に北海道立総合研究機構と提携。産学官連携で研究に取り組んでいる。

「褪色カラー写真のデジタイズ復元」では、まずポジフィルムにLEDの特殊な光を照射し、高精度センサーのカメラで撮影して分析し、フィルムに残る情報を読み取る。さらに、情報が不足している部分に関しては、過去のデータ復元の経験から予測を導き出して演算処理を実施。演算は北海道大学と北海道立総合研究機構が担当し、アイワードは高精度センサーカメラや撮影スタジオなどといった必要な機器や設備を整え、データを基に実際に復元する過程を担う。

褪色カラー写真の復元は、保存状態によって難易度が変わる。テストを行う中で思ったような復元ができないなど技術的な部分での苦労も絶えないが、試行錯誤を繰り返しテストを重ねていく過程で、次第に技術も高度化。復元のクオリティーに上限はないため現在も日々研究を続けているが、現段階でビジネスとして成立するレベルに達している手応えを感じているという。

同社では、国内にはまだデータ化されていないポジフィルムが相当量あると見ており、これらフィルムを大量に保持していると思われる美術館や博物館、大学など研究機関からのアーカイブ化の需要を取り込む戦略を立てる。こうした復元サービスを通して、本来のメイン事業である書籍印刷や、図録やカタログなど高級カラー印刷の受注にもつなげていきたい考えだ。

プリント写真のカラー復元例。40年以上経過した写真もよみがえらせることが可能。
  • 赤味を帯びるほどに褪色したカラー写真を復元させる同社の技術は、貴重な資料として大量のポジフィルムを抱える美術館や研究機関にとって福音となるだろう。フィルムはどれほどレベルの高い保存状態でも、必ず劣化するという性質があるため、国内における潜在需要は決して少なくないと予測される。2018年からは個人を対象としたサービスも始めるなど、サービスの裾野を広げており、歴史的価値の高い写真資料が発掘される可能性もありそうだ。

企業情報

株式会社アイワード

弊社は本年4月をもって設立51年目を迎えました。従来の「印刷業」の技術を大切にしながら「情報価値創造産業」への業態変革に取り組んでいます。工場のスマートファクトリー化とブック印刷、情報処理・システム開発、褪色写真復元の事業に特化した経営を目指しています。

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