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小児鼠径ヘルニアの内視鏡手術で使用される医療用の針「エンドニードルネオ」株式会社コスミック エム イー

2018.03.20

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3種類の針を連結させる「エンドニードルネオ」
針の中に糸を通すことで内視鏡手術がスムーズに

学ぶべきポイント

  • 既存の形状に捉われない斬新な発想
  • 海外の医療現場へも進出するグローバルな視野

医療機器の製造・開発などを手がける株式会社コスミック エム イー。同社では、小児鼠径ヘルニアの患者を手術する際、従来の開腹手術ではなく内視鏡による手術で使用されることを目的とした器具「エンドニードルネオ(腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖用針)」を開発。従来の開腹手術に比べて傷跡が残らず、患者への身体的負担が少ない内視鏡手術での利用促進を目指している。

「エンドニードルネオ」は、穿刺針、糸送り針、糸回収針というそれぞれ異なる役割を持った針を連結させて使用する医療器具だ。小児鼠径ヘルニアは、従来は閉じているはずの「ヘルニア門」が開いてしまったことで腸が落ちてしまう症状で、手術ではヘルニア門の周囲を縫合糸で閉じる必要がある。ただ、従来品を使用した手術では、糸がついた状態の針を患部に挿入するため、ヘルニア門を縫合する際に糸が針の挿入を邪魔するというデメリットがあった。同製品では、穿刺針、糸送り針、糸回収針を手順に連結させることで、針の中に糸を入れて処置することができ、従来品よりもスムーズに患部に針を挿入することを可能にしている。

「エンドニードルネオ」の使用方法

同製品の開発は、2012年にスタート。従来品に不満を抱いていた医師からの要請がきっかけだったという。ただ、同社の専門分野は医療電子機器の開発。医療用の針の開発は初めてで知見が乏しく、針を専門的に製造している協力会社を探すところからのスタートだった。また、小児鼠径ヘルニアの手術には、開腹手術が一般的という現状があり、「市場がもともと小さく、クライアントを見つけられる確率が低い」と同社営業部の阿部紳之介氏は苦労を明かす。現在は医療関係の学会で製品をPRするなど認知度を向上させる活動を行っており、これまでに2つの病院への導入が実現しているという。

阿部氏は「小児鼠径ヘルニアの内視鏡手術は日本発の技術。小児鼠径ヘルニアは肌の色や性別に関係なく発症してしまうので、海外にも広げていきたい」と語り、今後は海外へも販路を拡大するビジョンを描いている。現在はベトナムの病院との話し合いが進行しており、国内のみならず海外での普及に力を注いでいる。また同社では近年、「エンドニードルネオ」のほか、血の巡りを良くするためにくるぶしに圧をかける圧着ストッキング「ジュキナー」や、患部に低周波を流すことで肩こりや腰痛の改善を目指す「低周波治療器パルスマ」なども新たに開発・販売しており、これらの医療機器ともども積極的な展開を目指している。

  • 穿刺針、糸送り針、糸回収針を次々と連結させる“3段ロケット方式”という、斬新な発想を具現化した「エンドニードルネオ」。針の中に糸を通すというユニークなアイデアだが、今後小児鼠径ヘルニアにおける内視鏡手術がスタンダード化すれば、それに伴って同製品も欠かせない医療機器として現場で用いられることになるかもしれない。また、海外展開を目指す同社の製品は、ベトナムを嚆矢として世界へ進出。今後の動向にも注目したい。

企業情報

株式会社コスミック エム イー

創業より30年、医療・電子機器の開発に携わっており、医療機器特有規格に対応した設計開発に精通しております。

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