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タッチパネルのデザイン差別化に期待。曲面形状への光学接着技術株式会社イングスシナノ

2019.01.29

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曲面形状への光学接着技術を使ったディスプレイの例

学ぶべきポイント

  • 高度な技術でデザイン性の高い製品づくりに対応
  • 表面の貼りだけでなくベアチップ取り付けまでの工程を扱う

近年、スマートフォンなどで、2.5D曲面というディスプレイの形状が使用されている。2.5D曲面形状とは一般的に、かまぼこ状にカーブした面のことを指す。スマートフォンやデジタル家電製品、車の運転席前のタッチパネルにみられる形状だが、タッチパネル全体がかまぼこ型というより、パネルの縁の部分がカーブしている形をイメージするとわかりやすい。
このような曲面部分でも液晶パネルやタッチパネルが機能するように、各パーツを光学接着する技術を持っているのが株式会社イングスシナノだ。

「液晶パネル」(画面を表示させるためのもの)や「タッチパネル」(画面に直接触れることにより、コンピュータの操作が行える装置のこと)には、偏光板をはじめとする特殊な機能を持ったパーツが使用されており、それらのパーツの貼り合わせにはフィルムや樹脂などの粘着材が使用されている。特にディスプレイの表示部分に使用されている粘着材は、映像の表示に直接影響するため、光学的に均一で透明であることが求められる。

「液晶パネル」「タッチパネル」はそもそも平面であることが、これまでの基本的な前提だった。曲面になることで、表現される画像にゆがみが出たり、見づらくなったり、色が異なって見えるなどの弊害が生じやすい。また、粘着材の貼り合わせの際に気泡も入りやすくなる。曲面のどこから見ても同じように見えるためには、高度な技術が必要だ。
同社の白鳥氏に、曲面形状への光学接着技術を開発した経緯を伺った。

曲面形状が採用されているケースはまだまだ国内では少ないが、海外の車の運転席周りのタッチパネルでは曲面のものが増えているという。その背景は、タッチパネルにスピードメーターなど基本的なもの、カーナビ以外、助手席で見られる映像用の画面など機能が増えているために、タッチパネルが大きくなっていることの影響がある。
フラットな大きな面は平面のままでは面白味にかけるために曲面にすることでデザイン性を加え、他の車との差別化に使われるようになっている。

同社は、1946年創業当時、養蚕関係の事業を行っていたが、20数年後、事業転換を行い、現在は液晶パネルのモジュール化とベアチップの実装を2つの柱としている。
液晶パネルは10年ほど前から着手している。きっかけは、クリーンルームで行う液晶パネルの組立業務を受注するようになったこと。はじめは量産の仕事を行っていたが、価格競争によって海外生産へと発注がシフトして行くようになったため、量産品を受けつつ、試作品も受けるようになった。試作品製造は新しく難しい依頼が多い。しかし、要望に応えるために技術を磨いていった結果、同社の専門性を高めることにつながった。

ディスプレイ作成の対応範囲

タッチパネル等の貼り付けは、代表的に2つの方法がある。OCAとOCRだ。
OCA(Optical Clear Adhesiveの略)で、粘着シートを使い接着する。OCR(Optical Clear Resinの略)は、UV効果のある粘度の高い樹脂を使い、接着面に樹脂を流し込んだのち、紫外線や熱をあてて樹脂を硬化させ、貼り付ける。どちらの方法を使うかは、クライアントが加工のしやすさや材料によって選ぶことで決まる。
同社はどちらの方法にも対応しており、貼り付けだけでなく、後加工も行っている。後加工とは液晶パネルにバックライトをつけ、ICを搭載、基盤を小さくしたり、偏光版を貼ったりすることで液晶パネルの完成形までにすることだ。

同社は、車の部品メーカーをはじめ、医療機器メーカー、液晶、OLED(Organic Light Emitting Diodeの略。有機発光ダイオード)液晶パネルメーカーを中心に取引きしている。曲面形状のフィルムの貼り付けは前出の車の内装タッチパネルに曲面形状が増えていることから、今後、発展が見込まれる分野だ。「他社との差別化にデザイン性を大切にしたい会社など、新規取引を広げていきたい」と白鳥氏は語ってくれた。

取材日:2018年12月27日

 

企業情報

株式会社イングスシナノ

半導体実装及び液晶パネルモジュール実装組立の小量産の受託とそれぞれの試作も対応致します。極小量もご相談ください。

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