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「低温で乾燥」させる、温故知新の技術を製品化!
耐放電性にすぐれた「マイクロ波真空乾燥装置」ミクロ電子株式会社

2018.03.30

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新たなマイクロ波応用加熱技術として期待される「マイクロ波真空乾燥装置」

学ぶべきポイント

  • コア技術を多彩に製品展開する開発力
  • 顧客ニーズに技術で応えるソリューション力

減圧すれば沸点が下がるし、マイクロ波を照射すれば物を加熱・乾燥させられる。両者を組み合わせれば、低温で対象物を乾燥させる装置ができる。それは古くから知られていたことで、減圧マイクロ波乾燥装置もこれまで製造され使用された例がないわけではない。しかし装置として普及してこなかったのは、「減圧してマイクロ波を照射すると放電しやすい」という問題があるからだ。その問題を解決し、誕生したのが、ミクロ電子株式会社が開発した耐放電性にすぐれた「マイクロ波真空乾燥装置」だ。

同社の装置は、マイクロ波出力を0.1~6.0キロワットまで自由に設定可能で、炉内圧力も0.4~95キロパスカルまで制御できる。圧力4キロパスカル以下の時、水の沸点30度以下で低温乾燥でき、圧力0.6キロパスカル以下でフリーズドライできるという。例えば食品製造分野であれば、酵素を生かしたまま乾燥させたりドライフルーツを高速乾燥させたりといった用途に応用することができる。これまでになかった魅力的な製品を生み出す可能性を持つ装置であり、実際、同社のテスト装置を使った実験を通じて新しい製造方法の特許申請に動いているメーカーもあるという。

装置開発のきっかけとなったのは、同社の顧客企業からの強い要望があったことだった。そして平成26年度の「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」を活用して開発をスタートし、約1年半をかけてテスト装置を完成。現在はさまざまな業種の企業3社と実験を展開中であり、今後、実際の装置導入に向けて詰めの作業を進めていくという。開発にあたって苦労したのはやはり放電をいかに抑えるかという点で、炉の形状やマイクロ波の照射口の設計に検討を重ね、耐放電性にすぐれたテスト装置の完成に至った。まさに革新的な製品の誕生だ。

テスト装置完成後、電気業界向け広報誌への紹介記事掲載や日本電磁波エネルギー学会における装置紹介などを通じた情報リリースにより、「マイクロ波真空乾燥装置の資料が欲しい」といった問い合わせも数多く寄せられているという。今後は、ゴム材料の予熱、断熱材の乾燥、キャンディー、チョコレートの溶解に利用されている「マイクロ波バッチ式オーブン」やゴムの加硫装置、セラミック成型の乾燥装置、もやし原料豆の殺菌装置として利用されている「マイクロ波連続式ゴム加硫装置」といった同社の既存の多様な装置も含め、主に展示会等への出展を通じてPRしていく計画となっている。マイクロ波真空乾燥装置の普及によって、どんな新しい製品、どんな新しい付加価値を持った製品が生み出されていくのか、今から楽しみだ。

  • 同社は創業以来、マイクロ波電力応用の専門メーカーとしてさまざまな装置を開発・製造し、世に送りだしてきた。専業メーカーとしては日本で唯一であり、例えば自動車の窓枠やドアの止水ゴム製品については、日本車向け製品の製造装置についてはほぼ同社の独壇場であるという。そんな同社が顧客企業の強いニーズを受け、一つのコア技術を自在に駆使するエキスパートの本領発揮で開発されたのが、この「マイクロ波真空乾燥装置」だ。これからは今まで取引の多かった業種以外への活用も期待される。

企業情報

ミクロ電子株式会社

マイクロ波電力応用装置及び主要デバイスの開発から製造、販売までを自社で取り組んでおり、お客様のご要望に応じた実験~装置仕様~最適な設計~製造において付加価値の高い装置のご提案に努めています。

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