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多様な分野で貴金属めっきへの高度なニーズに応える日本電鍍工業株式会社

2020.01.09

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美観と機能を兼ね備えた貴金属めっきと陽極酸化による医療器具例

技術・サービス名=貴金属めっき

貴金属めっきに特化し、さまざまな業界に貢献

めっきとは、一般的に機能性アップ、耐蝕、美観向上といった目的のため、素材となる金属などに対し、純金、金合金、プラチナ、銀、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅などの薄い層を被覆することを指す。

1958年に創業した日本電鍍工業株式会社は、「電気めっき」※1と「無電解めっき」※2という2種類のめっき手法を、いずれも高度な次元で提供できるため、これまでに、医療器具や楽器、電子部品、装身具など、さまざまな業界の課題解決に貢献してきた。

加えてめっきではないが、チタンの特性を利用した表面改質という技術も提供。チタンの陽極酸化処理※3を行い、表面に生成される酸化膜の厚みをコントロールすることによって、めっきでは困難な青やピンクなどカラフルな発色を実現できる。
※1めっき液の中に品物を入れて電気を流してめっきする方法
※2めっき液の中に品物を入れて、電気を流さず化学反応でめっきする方法
※3金属を陽極で電解処理して、人工的に酸化被膜を生成する表面処理

自社開発のめっき液をはじめ三つの強みを発揮

同社の強みは大別して三つある。一つ目は自社開発のめっき液を中心に、約50種類もの液を保有すること。それらを的確に使い分け、手作業で処理を進めることにより、細かな顧客ニーズに応えている。そして二つ目が、技術が必要な厚付けめっきも可能なこと。金・銀・パラジウム-ニッケルめっきは、100μm(1μm=0.001mm)までの厚付けが可能だ。

さらに三つ目が、めっきするのが難しいとされる素材にも対応できること。例えばステンレス材に金めっきを行う場合、通常は下地としてニッケルをめっきするが、このニッケルは金属アレルギーの原因となりうるため、宝飾や医療の分野では敬遠される傾向がある。しかし、ステンレスにも直に金めっきする技術を持つ同社の技術なら、この問題をクリアできるわけだ。そのほかチタンやタングステンなど、直のめっきは難しい素材でも対応が可能だ。

こうした強みをふまえ、時計へのめっき、ステンレス材のカテーテルのガイドワイヤー(医療器具)へのめっきを含め、他社では対応できないハイスペックを要求される部品などのニーズも満たしている。

加工から貴金属めっきまでの一貫体制構築を目指す

欧米から学んだ金めっきの技術をもとに自社でめっき液の開発に取り組み、独自の処理技術を磨いてきたという同社。また表面処理の分野では、横浜国立大学、関東学院大学、旭川工業高等専門学校との共同事業も実施している。

貴金属めっきは材料費が高く、液の管理が難しいため、新規参入は困難。一方で、ハイテク分野のさらなる発展のベースとしては欠かすことはできず、例えば環境・エネルギー分野では、貴金属をめっきに置き換えることによる環境負荷の軽減や、めっきの表面処理による発電所の熱交換機の高効率化なども考えられる。そのような中、多品種少量生産にも対応できる上、加工から貴金属めっきまで一貫して行える体制を整備しようとしている同社の価値は、今後もますます高まっていきそうだ。

取材日:2019年8月2日

 

企業情報

日本電鍍工業株式会社

1958年創業。めっきの目的は、見た目を美しくして高級感などをもたせるほか、錆や変色の防止、熱・電気の伝導性の付加、潤滑性や硬度の向上など、素材以外の金属の特性をプラスすること。そのための技術と品質を大切にしながら、高度な顧客ニーズに応えている。ISO9001、14001認証登録。RoHS指令、REACH規制等にも対応。

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