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データ取得や記録を自動化した電子ペグボード・システム株式会社ワークジョイ

2020.03.10

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複数のセンサーなど最新技術を活用することで作業療法士の負担を大幅に軽減

製品名=作業療法支援装置「高機能電子ペグボード」

作業療法士の負担を軽減するとともに患者のやる気もアップ!

近年、脳卒中患者が急増している一方、そのリハビリを担う作業療法士の不足が懸念されている。医療・福祉業界でより深刻な人手不足問題のソリューションの一つとして期待されているのが、株式会社ワークジョイが前橋工科大学と共同開発した「高機能電子ペグボード(作業療法支援装置)」だ。上肢麻痺リハビリテーションの際に使用されてきた従来の木製のペグボードで運動の計測や記録、回復度評価をするには、作業療法士などのサポートが必要だった。これらのデータ取得を各種センサー等の活用で自動化・高精度化した同製品。さらに従来品の課題であった患者の訓練が続かないという幼稚玩具拒否症状をおさえ、患者が前向きにリハビリに取り組めるという点も強みの一つとなっている。

各種センサーが患者のデータを正確に計測し、回復度評価も行う

同製品は、タッチセンサー付きの画面をペグボードとして活用し、ペグ穴の代わりに画面上に的を表示。その的に電子ペグで触れると、動作にかかった時間や移動軌跡、移動距離、運動速度、加速度などのデータが得られるとともに、それらを総合的に解析して麻痺状態の回復度評価まで行えるという仕組みだ。

作業療法士の負担軽減に加え、取得できるデータが多様化した上に正確になるため、評価やそれに基づく適正な指導につながる。さらにゲームも多様に展開できるため、患者の訓練意欲を持続させ、訓練時間や回数の増加による、訓練効果の向上も期待できる。

コストダウン・軽量化した在宅訓練モデルを今年度中に発売予定

同製品はまだ試作の段階だが、大学病院での上肢麻痺患者に対する2年間の臨床研究の結果、上記のようなメリットが確認されている。一般販売後には、介護や医療の現場における業務効率化ツールとしての活躍が期待されるほか、運転免許証更新時の適性検査などへの展開も考えられる。さらに、コストダウンと軽量化を実現した在宅訓練モデルは、令和2年度の発売を目指して現在開発中だ。

前橋工科大学との共同研究などにより、同社はこれまでにも脈拍モニタや自律神経測定器など、多くの健康医療機器を製品化してきた。それらの製品が主役級の活躍を見せなければ成り立たない社会は、すぐそこまで迫っている。

取材日:2019年12月27日

 

企業情報

株式会社ワークジョイ

1993年設立。主な事業は、電子機器の受託製造と、計測器・半導体試験装置などの修理・校正など。健康医療関連の自社ブランド製品の設計開発に力を入れており2016年に発表した「高機能電子ペグボード」で、翌17年の日本福祉工学会技術賞を受賞。

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