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“和紙”を素材にした生地“紙布帆布”で新しい伝統工芸の形を作る有限会社メニサイド

2017.09.20

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和紙を原料にした紙布バッグ。土に還るため環境にも優しい。

学ぶべきポイント

  • 伝統工芸技術を活用し、新たに生む付加価値
  • 自然由来で環境にも配慮した製品作り

江戸時代から宮城県白石市などを中心として生産されてきた伝統工芸品で、幕府に献上されていた門外不出の特産品「紙布」。同社はこの紙布を使った新素材“紙布帆布生地”を開発することに成功した。そして世界で初めて同生地をバッグ等に用いた自社ブランド「Sifuあだちや」を立ち上げた。

紙布は、細く切った和紙を紙糸として織った布で、軽くて肌触りも良く洗濯もできる。なにより、自然由来を施した紙布には99%以上の消臭力があり、抗菌活性値も通常の布と比べ2倍以上ある。衣類やバッグの素材に最適だが、限られた職人による手作業でしか生産できず、作り手が不足していた。

優れた素材の紙布だが、このような背景から明治時代以降は衰退していた。そんな紙布を現代に復元すべく尽力した人物が、紙布作家の桜井貞子氏。桜井氏に影響を受けた同社は、紙布を自社ブランドに使うために上質帆布を織ることで知られる高島帆布の力織機を活用した。これにより、人手でしか作れなかった紙布を、機械で生産することを可能にしたのだ。

また、同社は“紙布帆布”の他にも新しい部材として、バッグの持ち手などに使用する“和紙テープ”の開発も行っている。「紙布」は日本古来より実在したものだが、“和紙テープ”は「Sifuあだちや」が開発した紙布製品。引っ張り強度を必要とするテープは、国内に数台しか残っていない岡山の力織機で織り上げられ、従来よりも強度があり、軽いことが特徴である。

  • 「Sifuあだちや」の特徴である和紙と自然由来で土に還ることができる素材は、伝統工芸“和紙”が持つオーセンティックなイメージと環境に配慮した“エコ”な製品イメージ付けができ、各社の既存製品にも新しい付加価値を生むことができる。2020年に向けても、インバウンドをターゲットにした新たな製品を生み出す素材として、同社の製品は有力な候補になるだろう。

企業情報

有限会社メニサイド

会社創業前よりそれぞれ「ものづくり職人」としても15~30年以上の経験豊富なスタッフで構成され、鞄以外にも様々な商品の企画に携わるなど技術の向上を図り、東京都平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金にて「世界遺産である和紙を使った地球にやさしい鞄の試作と市場への投入」と採択されました。

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