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どんな災害にも、悪路でも、たった一人で扱える一人搬送用担架「タフレンジャー」有限会社システマックス

2019.01.10

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一人搬送用担架「タフレンジャー」。組み立て後の待機状態

学ぶべきポイント

  • 現場優先、利用者目線の商品開発
  • 必要とされているものに応える
  • 新しいものを創作するのではなく、組み合わせのアイディアを大切にする

病人やけが人を乗せる担架は、2名または4名で運ぶのが一般的だ。動けない人を乗せた担架は非常に重い。また、運ぶ人の足の動かし方の順番が決まっていたり、ある程度の意志の疎通をとって行う必要がある。子どもやお年寄り、女性など、誰でも簡単に扱えるものではないのが現状だ。
いざというとき、人員がいなくても、病人やけが人を一人で楽に運べるように作られたのが有限会社システマックスの一人搬送用担架「タフレンジャー」だ。

有限会社システマックスの高野山代表は、発明家でもある。大手機械メーカーで機械設備の電気設計を二十年間担当して独立し、自社製品をつくっている。
「誰でも簡単に、確実に、考えなくても安心して使えるシンプルなものづくりをポリシーに製品開発を行なっています」と高野山代表は語る。
発明家として最初に作成したのは防災広報用や選挙用に車両に載せるスピーカーとルーフキャリアのセット「わんたっちスピーカー」だ。既存のものがネジ留めタイプで着脱に手間がかかることに着目し、吸盤を使うことであらゆる車両に数秒で設置、着脱可能にした。

「タフレンジャー」作成の経緯を訊ねると、高野山代表が参加している「かつしか異業種交流会」のものづくりプロジェクトに、十数年前、担架制作の依頼が舞い込んだのがきっかけだったという。交流会の中で設計ができる高野山代表が実際に取り組むこととなった。
依頼主は宮城県にある漁師町の消防団。「この地域は男性が漁に出ており、消防団のほとんどは高齢の女性ばかり。団には汎用の担架はあるが、訓練する際、4人でも重くて数メートルも搬送できないのが現状。なんとか楽に搬送できる担架をつくってほしい」という要望だった。
「大手のメーカーは、収益性が重視されがちで、現場の要望に応えることが難しいのでしょう」と高野山代表。「女性が担架を使って運べないという問題が指摘されているのは事実。実際に必要とされるものならつくってみよう」と取り掛かったという。

「タフレンジャー」を使用して搬送する様子

2011年、試作品が完成。その後改良を重ね、現在は三号機「タフレンジャー」が販売されている。従来の担架の三分の一以下の持ち上げ重量で、軽々と搬送が可能。老若男女を問わず容易に扱え、小学校高学年程度の子どもから、大人一人を楽に長距離搬送できるものになっている。
担架に使われている車輪は車輪経が大きく太めのノーパンクタイヤを使用しており、芝生、砂砂利、多少のぬかるみ、でこぼこ道でも安全に安定搬送が可能。揺れや振動を抑え、乗っている傷病者が安心して利用できるようになった。2つ折り式と4つ折り式の2種類があるが、どちらも工具を使わずに1分程度で簡単に組み立てたり、収納したりすることができる。4つ折り式の場合は収納容積が五分の一以下のコンパクトさだ。

「たとえば、老人施設などでは、移動の手段が担架やストレッチャーしかないのに、運ぶために人員が少なすぎるという状況が多々あります。乗せる、運ぶ、降ろすを一人でやるのは大変なのです」と高野山代表はいう。
高齢化が進む中、誰もが簡単に扱える防災・救急対策用品は必需品と考えられ、宮城県仙台市の地域防災用、東京都葛飾区を始め、都内保健所の病院搬送用として多くの台数を納品している。担架は使う機会が少ない用具なので、他の製品との違いが実感しにくいのが難点、今後は「タフレンジャー」の利点をよりわかりやすく伝えていきたいと語ってくれた。

【動画】「タフレンジャー」使用の様子
https://www.facebook.com/stretchersystemax/videos/1016349571722651/

取材日:2018年11月15日

 

企業情報

有限会社システマックス

零細企業の機動性をニッチな部門で従来からの商材を画期的な「機動性と使い勝手」にすることで注目され、この数年来、自治体を中心に納入されています。

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