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心電図、酸素飽和度などを素早く遠隔画面共有できる、可搬型生体情報モニター株式会社フジタ医科器械

2020.12.03

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多様な生体情報データの一元化が可能で、無線通信による遠隔地とのリアルタイムデータ共有も可能

製品名=「可搬型生体情報モニター『VIMMS(ヴィムス)』」

救命救急医療現場のニーズをもとに開発

適切な医療処置を行うには、患者の状態を正確に把握することは欠かせない。株式会社フジタ医科器械の「VIMMS(ヴィムス)」は、国立国際医療研究センター病院の救命救急センターの相談を受け、救急搬送時の患者のバイタルデータのリアルタイムの可視化を実現したり、災害現場などでの同時多発的な救急医療に対応すべく開発された可搬型生体情報モニターだ。

同製品は、スマートフォンやタブレットといった市販デバイスと血圧計などの計測機器を近距離無線で連携し、現場で各機器から取得した生体情報データをデバイス上に表示しつつ、遠隔での共有も可能にするシステム。血圧、心電図、心拍、酸素飽和度、還流指標などの各データを普段医師が見慣れたスタイルで統合的に表示できるほか、収集されたデータはクラウドにも即時送信されるため、救急搬送先の医師などが手元のデバイスを使ってリアルタイムに確認できる。

現場での扱いやすさや価格面にも配慮

本製品では従来の可搬型モニターで生じていた通信面での制約、現場での取り回しの悪さなどの課題を解決するため、無線活用、バッテリー搭載、小型化にこだわり、表示部に市販デバイスを採用。一つの表示デバイスに対して複数の計測機器から並行して近距離無線通信を行う特許技術によりスピーディーな情報収集を実現した。また操作性や機能面でも、GPS機能を使用して患者の現在地を特定し、後からデータの吸い上げができるようメモリ機能を付加するなど、現場の声も反映しながら多数の工夫を取り入れている。さらに今後は、同一プラットフォーム上で非侵襲的な乳酸値測定や頭蓋内圧測定装置の計測データを表示できるようにするという。

大腸がん手術後の排泄機能障害からのリハビリを支援する、同社のバイオフィードバック型肛門リハビリテーション装置との連携もできるのが特徴で、医療従事者に口頭で伝えにくい事柄を数値で可視化しリハビリ効果の向上につなげていく。加えて、導入しやすいよう価格面にも配慮。表示機器を市販デバイスとし、取得したい生体情報を計測する機器と個別に連携する形を取ることなどによって費用を抑えている。

遠隔医療や在宅介護、日常の健康管理にも活用可能

基本的な生体情報データを、スピーディーかつ比較的安価に収集できる本製品は、南海トラフ地震による津波を想定した日本DMAT(災害派遣医療チーム)の訓練における実証実験でも検証された。国内外の医療機器展示会でも注目を集めている。

医療従事者が医療機関で使用する以外にも、AED設置場所や公共施設などに備え付けておけば、万一の災害対応などに役立つだろう。また、遠隔医療や在宅介護、予防医療に向けた流れが高まるなか、自宅や福祉施設などでの見守り、さらには医療過疎などの課題を解決する手段にもなるはずだ。

自社工場を持たないファブレスの医療機器メーカーとして、医工連携により現場の課題を解決する多様な製品の開発を続け、本製品もデジタル会社の協力を得て開発するなど共同開発にも熱心な同社が、今後どのような製品を生み出していくかに期待したい。

取材日:2020年10月13日

企業情報

株式会社フジタ医科器械

1972年に創業した医療機器メーカー。脳神経外科医の手技を鉗子などの医療機器で支え、2014年からはファブレスでの各種医療デバイスの製造・販売へと事業を広げている。医療関係者から寄せられる多彩なニーズと、ものづくり企業の技術をつなげることで、医療現場の課題を解決する製品を開発。他社からのアイデア持ち込みによる連携にも意欲的だ。

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