BreakThrough 企業インタビュー

塗装の仕上げに施される「次世代キズ修復塗装 クロスガード」
塗料はバネ状の分子構造を持ち衝撃を跳ね返す株式会社ワカヤマ

2018.03.02

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バネ状の分子構造により、高級小物をキズから守る「次世代キズ修復塗装 クロスガード」

学ぶべきポイント

  • 長年におよぶテストを可能にする協力メーカーとの信頼関係
  • 色の調合から塗装までを自社内で完結できる専門性

眼鏡の生産地として知られる福井県鯖江市に本社を構え、眼鏡メーカーなどを対象としたメッキ処理や色の塗装加工を手がけているワカヤマでは、長年にわたる塗装業のノウハウを生かし、製品をキズから守る塗装サービスを展開。2014年頃から、塗料メーカーと共同で開発した次世代キズ修復塗装「クロスガード」による塗装を眼鏡メーカーなどを対象に行っている。

「クロスガード」は、塗装の仕上げの段階で製品に塗布する透明の液状の塗料。塗装皮膜の中にバネ状の分子構造を持っており、与えられた衝撃を柔らかく受け止めて跳ね返す性質を備えているのが特徴だ。この性質により、たとえばバッグの中に入れた小物が衝撃を受け、表面にへこみが付いてしまっても、すぐに修復され、製品自体にはキズが付かずに美観を保つことができる。塗料は眼鏡に多く使われるプラスチックのほか、チタン、ステンレス、アクリルや樹脂素材までさまざまな素材に密着することができるため、多様な製品に塗装することが可能という。また、なめらかな手触りと艶が付与されることで高級感を醸し出す効果を得られる利点もある。

製品は塗料メーカーと共同で開発が進められ、開発後は信頼関係を構築している地元の眼鏡メーカーに納品し、約3年間にわたってテスト的に展開。エンドユーザーからの声を集め、好評を博したことから本格展開に踏み切った。若山健太郎社長は「さまざまな素材にクロスガードを密着させるための技術の開発に苦労した」と振り返る。同社では従来、眼鏡の一大生産地である福井県鯖江市という土地柄、高級眼鏡メーカーなどを対象とした色加工業務を数多く手掛けており、同業務のオプションサービスとして仕上がりに「クロスガード」を施す形を提案する。眼鏡フレームへの塗装以外では、高級ライターなどの喫煙器具や高級ボールペンなどへもキズ修復塗装を行っているほか、現在は美顔ローラーのメーカーとの商談も進行中であり、高級小物メーカーからの依頼が中心となっている。

キズの修復塗料自体はこれまでも存在していたが、塗料を美しく塗るには高い技術が求められるほか、コストも高いくなるなど超えるべきハードルが多く、普及が進まなかった背景があった。だが、「クロスガード」は自社内で色の加工から塗装まですべてを行える強みもあり「従来品の20~30分の1にコストを抑えられる」と同社の若山社長は自信をみせる。今後は眼鏡メーカー以外のクライアントとも親密な関係を構築し、フィードバックによって多く情報を収集し、製品に生かす構想を描いている。

  • 眼鏡に始まり、喫煙器具や美顔器など対象を拡大しつつあるワカヤマの修復塗装。その高い技術力で、高級ブランドのアクセサリーなど、小サイズで高額という条件を満たす製品への応用は考えられそうだ。同社の若山社長は「片手に乗るサイズの物であればどんなものにでも塗れる」と語っており、今後はさらなる普及が期待できる。

企業情報

株式会社ワカヤマ

『最高の表面処理サービスで 世界にWOWを届けます』を私たちのミッションに掲げ、感性に訴える色と質感をお客様の製品にプラスします。受入検査から、めっき>塗装>検品>梱包までお客様の生産ラインの一部としてご利用していただけるよう、社員教育を徹底し、安心して任せていただけるよう努めております。

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