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クラウドによる遠隔監視、アラート通知で危険を回避。作業スタッフの安全管理システム「SKY Bird(スカイバード)」株式会社MTL

2019.01.22

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学ぶべきポイント

  • 同じ現場でも作業環境の違いをチェック。スタッフの安全性を遠隔管理できる
  • 作業スタッフの個別体調管理で危険を回避する
  • クライアントの要望で遠隔操作内容のカスタマイズが自在

さまざまな天候、気温の中、屋外で仕事をする建設現場等のスタッフにとって、特に猛暑の夏などは熱中症による生命の危機と隣り合わせだ。働く人々の安全を守るべきなのは言うまでもない。しかし、気温や湿度などの環境、作業内容の違う多くの働く人々の状況をチェックして危険度を測り、安全対策を進めていくのは簡単なことではない。株式会社MTLは、クラウド上の遠隔監視と、危険時のアラート通知で作業員の危険を事前に管理者に伝える安全管理システム「SKY Bird(スカイバード)」を開発。2018年から販売を開始した。

株式会社MTLは、空調設備のシステム設計・施工を行う株式会社ミナミテクノから2016年に分社化し、現在はシステムの開発・製造販売を手掛けている。安全管理システム「SKY Bird」は分社化する2年前から開発が始まった。同社の吉田部長によると、「空調設備を導入している企業を見てきて、現場で働くスタッフが、安全に仕事ができるように、環境を見える化できるシステムが必要ではないか、と考えたことがきっかけだった」という。
加えて、大規模な作業現場で多数の作業員の安全対策や勤怠管理が必要となる顧客は多く、そうした管理者からの要望が後押しになって製品が完成した。

「SKY Bird」の働く環境の安全性を確認する指標は、暑さ指数WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature:温球黒球温度)をベースにしている。暑さ指数とは環境省が熱中症の危険度を判断する指標として平成18年から情報提供しているもので、暑熱環境下の労働の目安としてISO等で国際的に規格化されているものでもある。気温、湿度、輻射熱(地面や建物・体から出る熱で、温度が高い物からはたくさん出る)の3つを取り入れた温度だ。単位は気温と同じ摂氏(℃)が使われる。暑さ指数は、屋外の日照のある場合は、気温の効果が1に対して湿度の効果が7、輻射熱の効果が2の割合で計算される。
安全対策から見ると同じ現場であっても、作業員の立ち位置が少し違うだけで暑さ指数は異なり、熱中症の危険度も変化する。また、作業スタッフの動きで変わる作業環境と、作業員一人ひとりの状況も加味する必要がある。もともとの健康状態や作業内容や量により危険度が変わるからだ。

「SKY Bird」は、一人ひとりの作業員に以下の3つのデバイスを装着させることで、「行動パターン」「作業環境」「健康状態」の見える化ができる。
①TKZ-01: 9軸センサー・気圧センサー・GPSを計測し、「行動パターン」を見える化
②環境センサー:気温・湿度・風の強さ・黒球温度・照度を計測し、「作業環境」を見える化
③スマートウォッチ:血圧・心拍を計測し、「健康状態」を見える化

3種類のデバイスで「行動パターン」「作業環境」「健康状態」の見える化を実現する

送られてきたデータを管理者はパソコン上で見ることもできるが、チェックし続ける必要はなく、データはクラウド上に記録され、危険な状況になったときにはアラート通知される。作業員に対しても危険な状況になったときには通知する仕組みだ。作業員の位置情報や行動も把握することが可能なため、危険エリアへの立ち入りを知らせることや作業員の行動パターンも把握できる。

「SKY Bird」は作業現場以外にも引き合いがでてきている。位置情報やバイタルサインの把握が可能なことから高齢者の見守り用だ。9軸(縦、横、斜めの3軸の加速度、角速度、地磁気)センサーによって高齢者のイレギュラーな動きや転倒などがわかるようになっている。データの異常を感知すると離れた家族にメールで知らせる仕組みだ。詳細なバイタルデータを取得できるため健康管理も可能。同社は今後、介護施設を運営している企業や高齢の親族が遠方で生活している家族にも展開していく予定だ。
そのほか、行動パターンや位置情報がわかることから、出退勤管理にも使われるようになっているという。

また、「SKY Bird」のバリエーションに「SKY Bird V」がある。こちらは、車に搭載して使うタイプで、土砂運搬用のトラックに搭載し運転手の勤怠管理にテスト導入中だ。
同社の吉田部長によると、「SKY Bird V」は工事現場で掘った土壌の処理状況も見える化できるよう改良を施しており、間もなく使われる予定という。
土壌にエックス線を照射し土中の重金属などの含有物を測定できる機器をトラックに搭載することで、積載している土壌に合わせた処理の方法を判定し、トラックが適切な場所に土壌を運搬したかどうかルートを管理することができるようになっている。

「SKY Bird」は、作業環境、作業員の健康状態、行動パターンの最大3つを見える化することができるが、このうち必要なものだけを選ぶことも、データを送る仕組みを利用してプラスαのカスタマイズをすることも可能だ。遠隔装置では140施設導入実績のある同社。要望に合わせた応用がきく「SKY Bird」の展開に期待したい。

取材日:2018年12月18日

 

企業情報

株式会社MTL

私たちの業務姿勢には「挑戦」という言葉が強く根付いています。お客様のご要望に応えるべく、常に新しい製品、新しい技術、そして新しい提案に果敢に取り組んでまいりました。これからもこの「挑戦」をキーワードに、「高品質」「新技術」「短納期」「低コスト」なサービスで、お客様から「ありがとう」と言われる仕事を実践してまいります。

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