PICK UP

ドローンと飛行船を組み合わせた「スカイウォッチャー1000XR」
最大で約1カ月の滞空を可能にした株式会社公害技術センター

2018.02.09

SHARE
  • facebook
  • twitter

トライ&エラーで最大1カ月の滞空を実現。ドローンと飛行船を組み合わせた「スカイウォッチャー1000XR」

学ぶべきポイント

  • ドローンに飛行船を組み合わせる柔軟な発想力
  • 常にアップグレードを意識し続けるチャレンジ精神

ドローンなどの無人航空機が脚光を浴び、ビジネスシーンでの活用が進む現在。地球環境保全を目的に環境計量証明事業などを展開している公害技術センターでは、バッテリーの問題から短時間の飛行が常識だった従来のドローンの弱点を克服した飛翔体「スカイウォッチャー1000XR」を開発。現在は係留型としてテストを進めており、長期間におよぶ森林状況の調査や災害支援のための監視など、さまざまな状況下での活用に乗り出している。

「スカイウォッチャー1000XR」は、ヘリウムガスを浮遊のための原動力に使用した飛行船とドローンを組み合わせた飛翔体だ。従来のドローン単体では、バッテリー容量の制約上、長時間飛行には限界があったが、公害技術センターではドローンに浮遊の役割を担う飛行船を組み合わせることで問題を解消。長時間における安定した定点観測を実現した。これにより、瞬間を切り取るのではなく、長期観測による時系列データまでを採取できるようになった。また、AIを用いたデータ解析が行えるのも「スカイウォッチャー1000XR」の特徴だ。たとえば雪山で雪崩が起こる前後を同機が撮影していれば、その画像データをAIが解析して数値化し、未来の雪崩の発生を予測することなどができるといい、今後、災害予測などでの活用に注目が集まりそうだ。そのほか、特定方向にロックするなどの機体制御ができる「ヘッドロックシステム」も搭載し、長期におよぶ定点観測の精度を高めている。

定点観測に威力を発揮する「ヘッドロックシステム」

「スカイウォッチャー1000XR」は2017年、前身となる「スカイウォッチャー1000X」より体積を大きいサイズに刷新した。これにより浮力が増し、従来機では1.5キロが限界だった積載重量は2キロまで向上。積載物によるが、最大で約1カ月の定点観測が可能になった。安定飛行を実現するための、浮力と積載重量の最適なバランスの調整が難しく、ドローン部分の調整を担当する県外の協力企業とやり取りを重ねながらグラム単位での増減のテストを繰り返したという。同社環境開発センターの大貫悠樹氏は「安定した滞空に必須の、ヘリウムガスと積載重量の比率の“ゼロ点”を見つけることが大変だった」と苦労を語る。

現在構想しているのは、ドローン本体の自家発電だ。自家発電機能が備われば、バッテリーに伴う諸々の懸念は解消され、飛行時間の大幅な増加につながる。妥協を許さないトライ&エラーで、「スカイウォッチャー」のさらなる進化を目指していく。

  • 飛行船とドローンを組み合わせる同社の技術が浸透すれば、今後は環境調査にとどまらず、エンターテインメントの分野などさまざまなシーンでの活用が広がるだろう。同社では、飛行船を母船として、空中でドローンの離発着ができる構想も描いているといい、今後はますますドローンの持つ可能性にあらゆる分野からの注目が集めることになるだろう。

企業情報

株式会社公害技術センター

測量、生態系調査、点検、災害などでのUAV(無人飛行機)の活用が急速に進んでいます。弊社では、急な墜落をしない(安全性)、用途別の対応(機能性)、長期間定点観測(飛行時間)人工知能解析、を可能とした飛翔体を共同研究・技術開発を進めてきました。ご興味のある方は是非ブースにお立ち寄り頂きたいと思います。

企業情報ページはこちら

SNSでシェアしよう

関連記事