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電子機器の小型化に欠かせない
超微細品への精密めっき株式会社エルグ

2018.03.23

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コンタクトプローブに使われる線径16μmのコイルスプリング

学ぶべきポイント

  • 時代が求めるスペックに対応可能な技術力
  • 独自ノウハウで超微細品のめっき液への浸漬困難を解消
  • より小さなもの、困難なめっきへの追求

技術力が要求される微細品へのめっき

さまざまな分野での技術革新により、電子部品の超小型化が一段と進んでいる。とりわけめっき技術は電子部品に導電性や耐熱性、耐摩耗性などの特殊機能を付与するために欠かせない。電子部品が小型化されるほど微細品のめっき技術の高度化が求められる。特に電子基板の電気的な検査・試験を行う微細コンタクトプローブに使用されるコイルスプリングは、平均的な髪の毛の太さ0.08mm(80μm)の6分の1しかない13μmへの表面処理を行わなければならない。1947年の創業以来、微細品へのめっき技術を追求するエルグでは、2017年2月に線径13μmという超微細品への精密めっき技術の独自開発に成功した。

めっき液へ沈まない超微細品

通常、めっき加工を施すためには、酸性の溶液やアルカリ性の溶液などさまざまな溶液にしっかりと浸漬しなければ、めっきがつかない「無めっき」となってしまう。特に微細品や超微細品となると、溶液の表面張力によって浮いてしまうため、高品質なめっき加工を施すことは難しかった。しかし、同社は磁器の上に載せ、攪拌しながらめっきを施すという独自技術により、超微細品であっても溶液に浸漬する手法を確立し、均一な膜厚でのめっき加工を可能とした。

超微細品への精密めっきは、金/金-Ni合金、無電解金/無電解Ni-B、ロジウム、パラジウムニッケルに対応可能で、数種類のめっきを重ねることで特殊機能性能を向上させることもできる。 超微細品へのめっきは数十種以上の溶液の温度・濃度管理などに加え、素材による工程の違いなどにより、オートメーション化することは不可能。そのため100%手動で行われているが、熟練スタッフの手により、クライアントが求める以上の高品質なめっき加工が1日30万個以上可能となっている。

妥協しないめっき技術の向上

高いめっき技術が要求されるのはコイルスプリングだけではない。袋穴、止まり穴、エアポケット箱形状など、めっき処理を施す際にまた別の問題が生じるものもある。
その問題とは、めっき溶液を入れることが難しい形状なため、微細品と同様に無めっきなどが発生してしまうこと。また前処理の工程においても、液通りが悪いため洗浄不足となり高品質なめっき処理を行うことは難しい。しかし同社では、製品を“網かご”と呼ばれる治具に入れ、日本和紙を作成する紙すきの要領で製品をゆすり、ほぐしながらめっき処理を行う「網付け法」をはじめとした独自技術を駆使し、さまざまな微細品へのめっきを可能としている。同社は「表面処理の技術と成果を通して、新たな価値を創造する」という企業理念のもと、めっき技術向上への飽くなき探求を続けている。

  • 表面処理のひとつである「めっき」は、スマートフォンなどの電子機器が小型化されるためには欠かせない大切なものだ。
    たとえ技術的に電子基板が小型化可能でも、それが安全に使用できるのかを検査・試験可能な微細コンタクトプローブが必須となる。そのため、それを検査可能な微細品への精密めっきが要求される。言い換えれば、現状の13μmを超えるめっき技術が確立された時にはじめて、電子機器のさらなる小型化が可能となっていくであろう。

企業情報

株式会社エルグ

製品の小型化により、製品が小さくなればなるほど、めっきの難易度が上がり、その作業は100%手作業となります。人が製品の状態を確認しながらめっきをする繊細な技術の確立とその体制を構築しました。

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