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“気体消費量半減×懸垂力UP”を実現した非接触搬送装置「フロートチャック」有限会社ソーラーリサーチ研究所

2019.08.20

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ワークに直接触れずに搬送やハンドリングができる「フロートチャック」

製品名:非接触搬送装置「フロートチャック」

液晶大型ガラス基板の非接触搬送も可能

ガラス基板や半導体ウエハといったワーク(加工対象物)の製造工程では、「汚れを付着させない」「ストレスを生じさせない」「損傷を与えない」というのがポイントだ。ソーラーリサーチ研究所の非接触搬送装置「フロートチャック」は、その名の通りワークに直接触れずに、空中に浮遊させる形で懸垂保持し、搬送やハンドリングができる。

しかも高効率な“気体垂直噴流方式”を採用しているため、“旋回流方式”などほかの非接触型搬送装置に比べて懸垂力は2~6倍にアップ。また、搬送時の空気供給量をほぼ半減させており、空気消費量の大きさが懸案事項であった「第10世代液晶大型ガラス基板の非接触搬送」も可能となった。

負圧発生効果が増大し、懸垂保持能力がUP

空気を噴出し、その高速気流によって生まれる負圧と昇圧のバランスを維持することで非接触搬送を可能にする

「フロートチャック」のワークと向かい合う作動面は、外周にフード、中央部にクッション室というくぼみ、そのクッション室の中央に空気噴出口という構成になっている。この空気噴出口からガラス板などのワークに向かって空気を噴出し、その高速気流によって生まれる負圧と昇圧のバランスを維持することが非接触搬送を可能にする。新たに採用した気体垂直噴流方式では、クッション室内に気体を垂直噴流させることで気体流の摩擦損失が減少し、負圧発生効果が増大。また、空気噴出方向に角度をもたせたことによってクッション室に生じるエゼクタ効果もあり、さらに効率よく負圧が発生する構造になっている。これにより、懸垂力や保持安定力も向上。衝撃に強く、高速搬送も可能なオンリーワンの非接触搬送装置となった。

また、空気噴出口より噴出した空気は、最終的に作動面外周のフードによって捕捉され吸引される仕組みだ。高速気流の流出を防ぐ構造となっているため、ゴミや塵の巻き上げなどの可能性が低減。さらに、ワークに空気が垂直に当たらない設計によって、空気の噴出による損傷やストレスが発生するリスクも低下した。厳格な衛生管理や高度な精密加工が求められるクリーンルームなど、「フロートチャック」を必要とするシーンは業界を問わず少なくないだろう。

※気体や液体が高速で流れた際に周辺のものが吸い寄せられる効果

多様な業界のバラエティに富んだ需要に対応

「フロートチャック」の納入実績はすでに数百件に及び、これまでの納入先メーカーも、半導体、FPD、偏光板、フィルム、光学、エレクトロニクス、紙、繊維業界と多岐にわたる。対応すべきワークの大きさは、数mm程度の角チップ・レンズから、数mに及ぶ角ガラス、また厚さは数μm(1μm=0.001mm)のものまでと多種多様。加えて、その性能や形状も、反りのあるウエハ、スルーホール、通気性や柔軟性のあるワーク、表面塗布したワークなどと幅広い。この対応力の高さには、各業界のバラエティに富んだ要望の一つ一つにあわせ、少しずつカスタマイズを重ねてきたという背景がある。

技術革新のスピードが格段に上がり、あらゆる業界でさらなる高度化・精密化が求められる昨今、ソーラーリサーチ研究所の非接触搬送装置「フロートチャック」が活躍する舞台は、まずます拡大していきそうだ。

取材日:2019年6月26日

 

企業情報

有限会社ソーラーリサーチ研究所

気体流を利用した非接触搬送装置および応用装置の製造を事業の柱とする大阪府豊中市の技術開発型メーカー。同社開発の非接触搬送装置「フロートチャック」(特許)は、半導体ウエハメーカーをはじめ、ICメーカー、ガラス基板メーカー、光学機器メーカーなど各業界メーカーの課題解決に貢献しており、1990年に科学技術庁長官賞を受賞、翌91年には黄綬褒章を受章している。

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