BreakThrough 企業インタビュー

紙のマニュアルのデジタル化で、企業の業務効率化と技術伝承を後押し三喜電機株式会社

2020.03.24

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今後さらに深刻化する人材不足の時代に、中小のものづくり企業をはじめ、多くの企業が頭を悩ませているのが、“業務の効率化”と“技術伝承”です。「三喜電機株式会社」は、そのいずれの課題も解消し得る製品「ビジュアル先生PRO」を開発しました。同製品の特徴などについて、開発に携わった同社の伊藤直弘氏(写真左)と太田恭央氏(写真右)に伺いました。


マニュアルのデジタル化により業務を標準化

製造業には多くの作業マニュアルが存在しますが、その指示通りにきちんと進行しているかをチェックする作業は、往々にしておざなりになりがちです。

「本来なら一つの工程が完了するごとにレ点などを付けてチェックしなくてはならないのですが、この方法はスムーズな進行の障害にもなるため、実際には最後にまとめてチェックするといった対応が横行しています。ただこれでは確認する意味がありません。そこで、進行を妨げずにチェックできる方法はないかと考えたのが製品開発のきっかけでした」

同製品は、マニュアルを電子化し、タブレットやPC画面で手順を一つ一つ確認しながら作業とチェックを同時に行えるというデジタルツールです。一つの作業完了後はワンタッチで次の指示工程に移行可能。その上入力した文字や数値が適正かどうかを判定する機能も持つほか、各工程にかかった時間や中断記録、作業担当者などの細かいデータも記録されます。

「作業に慣れると手順を入れ替える人などもいて、それが不良品の原因になることもあります。同製品を使えば、誰もが同じ手順で作業を進めることになり、結果ヒューマンエラーが起こりにくくなります。またこの作業の標準化は、製作頻度が低い製品を製造する際、作り方をなかなか思い出せないといった課題の解消にも効果的です」

同製品の使い方を説明する太田氏

若手の教育や技術伝承にも有効なツール

作業の標準化は、教育の面でもプラスになります。

「人が人を教育する場合、教え方に個人差があったり、そもそも教えること自体が苦手な社員もいます。一方の教育される側も、近年は対人コミュニケーションを不得意とする社員が増えている。同製品なら、そんな教える側と教わる側の双方の課題を解決できます」

そしてもう一点、欠かすことができないメリットが、技術伝承のサポートでしょう。

「後継者不足問題はどの業界でも非常に深刻ですから、同製品を使って熟練者の技術やノウハウをデジタル化して技術伝承のために使いたいという声はお客様からも挙がっています。当社でも、熟練者の頭の中をデジタルデータ化する作業を進めているところです」

働き方改革を進める上でも重要な役割を担う

同製品の開発元であると同時に、最大のユーザーでもある三喜電機では、ほんの数年前まで当たり前だった残業や休日出勤が、今やほとんどなくなったそうです。

「しかも外部への販売をきっかけにユーザービリティにより配慮するようになり、紙のマニュアルの電子化作業を簡素化するなど改善を重ねてきました。さらに各ユーザーからの細かい要望に応えることで今なお進化を続けています」

そんな同製品を導入している企業は、今のところものづくり系が中心ですが、例えば機械の点検手順や、あるいは料理の手順を示す際などへの展開も期待できそうです。

「またマニュアルと連動して画面タッチで出力機器へON/OFFの指令を出したり、入力機器のON/OFF状態を見ることができるユニット「Visual Dio」を開発しました。同製品がインストールされているPCと接続すれば、配線チェック、LED点灯、リレー制御などの自動化が可能です」

本装置を使用することで知識が少ない作業者でも作業に就くことができ、さらなる生産性向上が期待できます。

「当製品は、当社の製造現場の実情と生の声を反映して作り上げたというのが最大の特徴です。当社と同じような悩みを抱えている企業なら、きっとその違いを実感していただけることと思います」

業務の効率化や技術伝承などに課題を抱える企業なら、一度導入を検討してみる価値はあるだろう。


企業情報

三喜電機株式会社

左から、企画改善グループ課長・太田恭央(おおた・やすお)
代表取締役社長・三田喜孝(みた・よしたか)、技師・伊藤直弘(いとう・なおひろ)

1954年設立。パワーエレクトロニクス用制御装置や電力系統シミュレータをはじめ、OEM製品の製造をメインとした事業を展開。「コツコツと地道なものづくり」にこだわり、設計から組立(板金加工、プリント基板実装、組立配線、電気試験)までトータルの製作サービスをワンストップで提供できることが特徴。

企業情報ページはこちら

取材日:2020年2月5日

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