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ゲーム感覚で楽しみながら認知症を予防する「認知機能の評価と機能向上のためのクラウドサービス ヒラメキア」有限会社デジタルメディア企画

2018.10.02

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「ヒラメキア」はタッチだけで認知機能がチェックできる

学ぶべきポイント

  • 介護事業者の困りごとを察知し、介助者の負担を軽減するための企画力
  • 介護現場でシステムを活用、そこで得たデータを生かす開発力

超高齢社会の日本では、65歳以上の高齢者が人口の28.1%を占める。実に、国民の4人に1人以上が高齢者だ。さらに団塊の世代が75歳を超える2025年には、国民の30%が高齢者になると予測される(総務省「統計からみた我が国の高齢者」・2018年9月16日発表)。また、高齢者のうち約18%が介護状態(要支援・要介護を含む)であり、健康寿命の延伸が喫緊の課題だ(厚生労働省「介護保険事業状況報告2018年6月版」・2018年9月13日発表)。

有限会社デジタルメディア企画は、「自立した高齢者をいかに増やすか」という課題に取り組んでいる。産学官連携により、長崎市の施設でシステムの活用・データの収集を行い、長崎県作業療法士会や長崎大学医学部保健学科、長崎北病院の名誉院長 辻畑光宏氏らに、課題の有効性や効果などの検証と新しい課題の監修を受け、認知症の予防や進行を抑えるための「認知機能向上システム」を開発してきた。

当初は、タブレット端末などにインストールして起動させるソフトを開発していた。しかし、昨今のインターネット環境やタブレット端末の普及を受けて、WEBブラウザを介して利用できるクラウドサービス開発にシフト。2016年に「認知機能の評価と機能向上のためのクラウドサービス ヒラメキア」をリリースした。

ヒラメキアはその副題の通り、認知機能の評価チェックと機能向上を目的とする。認知症を発症していない高齢者が定期的にヒラメキアの課題を行うことで、認知症のチェックと予防、認知機能の維持を図ることができる。また、軽度認知症(MCI)の方には、その進行を抑えるだけでなく、機能回復の一助となる。

介護事業者にとって最大のメリットは、利用者がいつ、どんな課題を行ったか、また、その点数などをヒラメキアが自動記録する点である。介助者の記録作業という負担を、大きく軽減できる。また、正解率だけでなく、正解を導くまでの時間なども詳細に記録され、履歴が一元管理できる。利用者ごとの経過観察が容易に行え、機能低下などの変化を、早い段階で気付くことも可能だ。

また、ヒラメキアには、450を超える豊富なコンテンツがある。コンテンツは4つのカテゴリー(チェック課題、訓練課題、レクリエーション課題、映像)に分けられ、それぞれ6つのジャンル(思考、計算、注意、視覚、記憶、言語)から成り立っている。さまざまな組み合わせにより、飽きることなく課題に挑戦できる。

訓練課題の1つ。「タッチでアタマの体操」の図形探し

利用者は、介助者に見守られながら、タッチするだけの簡単操作で課題をこなす。課題といっても、ゲーム感覚で楽しんでいるうちに、認知機能が上がっていく仕組みだ。
たとえば、レクリエーション課題である「みんなでアタマの体操」は、介助者が三者択一問題を出し、複数の利用者がそれぞれのタブレット端末で回答する。5問行い、正解者と正解までにかかった時間とでランキングが決まる。介護施設などで大いに盛り上がるクイズ大会だという。さらに、映像を見ながら一緒に体を動かす体操などもある。

ヒラメキアはインストール不要のクラウドサービスだから、既存の端末が利用でき、導入事業者の経費削減にも寄与している。

同社はこれまで、介護の現場で実際に行われている訓練をデジタル化して、介助者の負担軽減を担ってきた。今後はさらにデジタル化を推進し、コンテンツの充実を図りたいと考える。そのため自社制作に加えて、他社からのコンテンツ提供も働きかけていくという。

ヒラメキアは、今は、リハビリ部門を持つ病院・デイケア・デイサービス・老健施設等での利用が中心だ。今後は、認知機能の維持・向上などを目指す特別支援学校や特別支援学級、ゲーム感覚で楽しみながら学べる学習教材として学童保育などにも導入を広げていく。導入実績を増やし、利用者などの意見や要望を取り入れながら、なお一層のバージョンアップをはかることを目指している。

 

企業情報

有限会社デジタルメディア企画

弊社は代表者のテレビ局勤務後、医療福祉の映像制作などを通じて、「自立した高齢者をいかに増やすか、認知症の早期発見や悪化防止のシステムができないか」と考え、長崎大学などと共同研究を続け、誕生したのが「物忘れ改善システム」(別名:認知機能向上システム)です。弊社は世の中のためになる「ものづくり」を社のモットーとしています。

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