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自社の技術力を市場に照らし合わせて、変化させていく柔軟性と対応力株式会社ファインテック

2018.03.19

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“技術の承継”を人工知能の学習能力によってサポートする「AI・IoT金型」(写真左)と“産学連携”によって開発された、新しい高機能な有機可視光触媒の元となる「可視光原液」(写真右)

学ぶべきポイント

  • ユーザーニーズと技術力を掛け合わせる開発力
  • 新たな技術を、協力することで生み出していく柔軟な姿勢

AI・IoT金型

株式会社ファインテックが開発した「AI・IoT金型」は、成形に使用される金型にAI・IoTの要素をプラスすることで、効率化を図った製品だ。一般的に金型業界ではその作業工程において、微妙な感触や感覚によって違いを見分ける”匠の技”が求められる。しかし、近年では後継者不足など様々な問題から、“技術の承継”が課題としてあがっていた。同社が開発した「AI・IoT金型」であれば、これまで感触・感覚で済ませていた部分を、データ収集でビッグデータ化。解析したデータを利用することで、経験が浅い人であっても匠と同じように作業が行える。 またAI・IoTによる恩恵はそれだけでなく、金型による成形でも得られる。植物由来の成形が難しい素材であっても、データ解析によって状況を分析。成形する際の数値を一定にしながら、均質化を実現している。こうした金型によって成形される部品は、高機能な素材を必要とする製品に最適で、航空機・自動車・宇宙衛星など多様な用途に応えられる。需要は国内だけに留まらず、2017年はタイのプラスチック開発企業とのMOU(Memorandum of Understanding:基本合意書)を締結。豊富な植物資源を持つタイの企業と協力しながら、世界へ向けた技術力の発信に力を注いでいる。今後は、ASEAN諸国への展開も計画中だ。

有機可視光触媒

同社が扱う「有機可視光触媒」は、これからどのような展開を見せるのか、今後の展開が楽しみな製品だ。複数の大学の協力によって開発された、この新しい可視光触媒は、従来のモノに比べて、長い波長域で放射できる。既存のモノでは400~500nm(ナノメートル)といった紫色から青色までの波長域だった。しかし、同社の「有機可視光触媒」では600nmという赤色までの波長域に達することが出来る。このため、より幅広い用途での使用が可能となった。現在は、さまざまな市場のニーズと「有機可視光触媒」を照らし合わせ、最終的にどんなアプリケーションとして提供できるか検討している段階。医療用のクリーンルームや、水耕栽培など、多くの分野で活躍が期待できる製品だ。そうしたアウトプットの形を考えながら、製品の改良も計画中。今後も大学との産学連携体制で研究をすすめることで、製品の拡張やコストダウンに努めていくとのこと。改良を続ける「有機可視光触媒」が、需要を汲み取りどのようなアプリケーションへと昇華できるか、企業との協力も視野にいれながら同社の挑戦は続く。

東京工業大学 横浜ベンチャープラザに本社を置く株式会社ファインテック。
“産学連携”による開発にも力を注いでいる。
  • 業界を問わず、あらゆるところで聞こえてくる”技術の承継”の問題。一見すると、『承継』という言葉とは対極にあるようにも思える、「AI・IoT」によって解決される未来が近い将来訪れるのかもしれない。そんな可能性を同社の製品から感じられた。また、「有機可視光触媒」の可能性にも注目した。光の役割が夜を照らすだけではなくなった現代において、600nmの可視放射が、どんな姿で日常に現れるのか、今後の展開が楽しみである。

企業情報

株式会社ファインテック

当社は、信号処理技術(IOT)、遠隔監視制御技術(AI、通信)をコア技術として、環境分野の製品やシステム開発を実施している、これらの中核技術は防衛関連で培った技術が基礎になっており、これまで半導体製造装置の制御部、航空・宇宙関連装置の制御において多くの実績がある。

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