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災害の前兆を可視化。
傾斜計測装置を用いた「傾きが見える崩壊兆候検知システム」Ⓡ。有限会社ジオテック

2017.09.05

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学ぶべきポイント

  • スペシャリストとしての特定分野での革新
  • 産学連携のための下地づくりの徹底
  • 小規模組織の機動力を生かした開発

建設測量のスペシャリストである有限会社ジオテックが製品供給に漕ぎつけた「傾きが見える崩壊兆候検知システム」Ⓡ。これは、地すべり、斜面崩壊、構造物破壊などの前兆を、傾斜計測装置によるモニタリングで検知するシステムである。水準器のアナログ画像とデジタル数値出力の両方により、傾き角度などの情報を時系列で直感的にわかりやすく閲覧できる点において、従来のシステムとは一線を画する。
同社がシステム開発に着手したのは10年前。毎年のように発生する土砂崩れや地すべりを目の当たりにした取締役の土田寛氏が、自然災害の危険性を予測し警報を発令できる仕組みをつくり、「社会の安全に役立ちたい」と考えたことが発端だった。また、既定価格ありきの業界に風穴を開け、自身で価格決定権を持つ製品を世に出したいという熱意も、研究を後押しする要因となった。

土田氏1人での取り組みは6,7年続き、2008年からは、測量用ポール・水準標尺の傾きを管理するため、茨城大学大学院と「鉛直判定センサ」の共同開発を開始。3年にわたりものづくり補助金を活用して試作を重ね、傾斜計測装置の完成に至った。その結果、半導体製品に比べ約10~100倍以上の精度を達成している。高精度傾斜計では1μrad (100m先の0.1mmの高さを識別)の分解能を有する。WEBカメラ・雨量計など必要に応じて付加でき、それらは強力なIoTシステムによりセンシングされ可視化される。

同システムの活用により、地すべりや河川の堤防決壊といった自然災害での崩壊兆候をモニタリングし検知することができる。都市部での大規模な土木工事により生じる周辺建物の傾きについても応用の可能性は大きい。これによる「防災・減災」効果への期待も膨らむ。
今後はハードのみならず、斜面崩壊検知、工事中の周辺部傾斜、建物長期傾斜といったモニタリングなどの面でも、他社と連携しつつビジネスを展開していきたいとのことである。

  • 今後ますます需要が高まると考えられる、防災・環境保全分野。そこでの主役ではないが、同社の「傾きが見える崩壊兆候検知システム」Ⓡはマストなアイテムになっていくだろう。その点も踏まえ、防災・環境保全関連の企業だけでなく建築・土木関連の取り組みは、大きな可能性を秘めていると考えられる。

企業情報

有限会社ジオテック

増加する自然災害から身を守るための有効な対策を提案させて頂き、少しでも防災・減災に貢献できれば幸いです。

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