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処理しきれないガラス瓶の山を、環境にやさしい軽量盛土材へリサイクル株式会社トリム

2018.03.30

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ガラスの再資源化を実現した特許技術「廃ガラス再資源化プラントシステム」と、軽量盛土材「スーパーソル」

学ぶべきポイント

  • 信念に基づくリサイクルへの取り組み
  • 組合を組織して展開する普及戦略

沖縄で飲食業やリサイクル事業を展開する(株)トリムが開発した「スーパーソル」とは、地域から排出される廃ガラスを原料として作られる多孔質軽量発泡資材、簡単に言えば「人工軽石」だ。非常に軽量で、耐火性や透水性・保水性・通気性が高く、またもともと無機鉱物が原料のため有害物質も含まない。改修工事等では残土処理と同じ扱いとなる。さらに製造工程において、用途に応じ比重や給水率を自由にコントローできるため、あまり土圧をかけられない場所や透水性を求められる場所における盛土など、緑化、断熱、園芸、水質浄化、建築、土木等の実に多くの用途で活用することが可能だ。

開発のきっかけとなったのは、自社で経営する飲食店から大量に出るガラスの空き瓶の処理に困っていたことだった。そこでリサイクル事業に進出し、まずはガラス瓶破砕装置を製造したのだが、ガラスの再資源化は思うように進まない。そこで「沖縄という資源の少ない島において、使える資源は使わなければいけない」という信念の下、廃ガラス再資源化のプラントシステムを開発し、特許を取得。1999年よりスーパーソルの製造・販売をスタートするとともに、プラントシステムそのものも商品化することでスピーディに全国への普及を図ってきた。現在、全国15カ所で同社のプラントが稼働しているという。

プラントシステムは、150坪の建屋に収まる規模。同社では顧客企業に対してプラント導入を全面的にバックアップしているため、スムーズにリサイクルビジネスに参入できる。またスーパーソルは製造スタートから20年近い歴史を経て、既に公共事業などで北海道から沖縄まで多くの採用実績があり、自治体や建設業界における認知もかなり浸透してきている。さらに現在では「ガラス発泡資材事業協同組合」を結成し、組合として価格や納品の条件を整えて案件に対応しているため、不毛な価格競争に巻き込まれることもない。こうしたことから、新規事業の一つとしてプラント導入に踏み切る企業も多いという。

2017年12月、同社は経済産業省が選定する「未来地域牽引企業」として全国2148社中の1社に選ばれ、支援を受けることとなった。また今夏の認証を目指してスーパーソルのJISマーク認証申請をしており、認証されれば普及にさらに拍車がかかると予想される。こうした追い風の中、近年では韓国や中国、ハワイ、モンゴルなど海外からの関心も非常に高く、今後プラント輸出を進めていく考えだという。「地域」のみならず、国境を越えグローバルなガラスリサイクルの牽引役として活躍する、そんな未来が同社を待っているのかもしれない。

  • 一般的にガラス瓶は逆有償で取り引きされるため、スーパーソルの製造についても原料としてガラス瓶を購入することはなく、また現状で原料が不足している工場もないという。さらに一般的なガラスリサイクルのようにガラス瓶の色分けやキャップ、ラベルを除去する必要もなく、プラントに廃ガラスを投入するだけで破砕~焼成までの一連の工程を自動で行い、スーパーソルを製造することができる。こうした運用上の特徴にもぜひ注目したい。

企業情報

株式会社 トリム

リサイクルが難しいと言われている色付きのびんを含む全ての廃ガラスびんをガラスからガラスではなくガラスからガラスとは全く違う形状・性質の人工軽石『スーパーソル』を製造するオンリーワン技術

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