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3密のひとつ「換気の悪い密閉空間」かどうかを判断できる柴田科学株式会社

2020.12.03

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CO2計(左)と粉じん計(右)。いずれもBluetooth通信機能・データロギング機能を備え、タブレット/スマホによるリアルタイム監視およびPC等によるデータ解析が可能。

製品名=空気質測定器シリーズ

3密の中で良否の判断が難しい「密閉」を見える化

新型コロナウイルス感染症が世界中を混乱に陥れた2020年、日本国内では感染拡大防止の一環として、「密閉、密集、密接という三つの密を避ける」ことが推奨され、市民の間でもこうした感染予防行動をとることが習慣化されつつある。ただ目視である程度判断できる「密集」「密接」に比べ、「換気の悪い密閉空間」に関しては、良否の判断が難しいという課題があった。

柴田科学株式会社の「空気質測定器シリーズ」は、厚生労働省が示した「密閉」の基準に室内環境が当てはまるかどうかを簡単に確認できる装置だ。シリーズは、「CO2計」「粉じん計」「風速計」「差圧計」の四つの測定器で構成。CO2濃度は人の過密、粉じん濃度は空気のよどみ、風速計は適正な換気などをそれぞれ判断することが可能で、差圧計は主に密閉空間内外の気圧差を確認することができる。

すべての測定器自体に測定値を表示するディスプレイが備わっているほか、Bluetooth通信機能も整備。スマートフォンやタブレットでの表示・管理も可能となる。そのほか、データロギング機能により、測定データをPCに出力し、テキストファイル化することも可能。また風速計以外には、設定した基準値を超えた場合に通知するアラーム機能も備わっている。
※厚労省は、「ビル管理法における空気環境の調整に関する基準に適合していれば、必要換気量(一人あたり毎時30㎥)を満たすことになり、換気の悪い密閉空間には当てはまらない」という指針を出している。

従来製品より高精度かつ低価格を実現

各測定器の測定可能範囲は、CO2計が350~4000ppm、粉じん計が10~600μg/㎥、風速計が0.05~10.00m/s、差圧計が−60.0~ +60.0Pa。いずれも温度測定範囲は−10~100℃、湿度測定範囲は10%~95%rhとなっている。

室内環境測定機器のトップシェアを誇る同社が、MEMS技術の有効活用で集積度・高密度化を高め、省電力および小型軽量化を実現。さらに従来製品以上に校正装置の効率化を図ったことで、測定精度も向上した。その一方、製品をシリーズとしたことで部品の共通化を進め、材料費を圧縮。低価格化にも成功している。
※Micro Electro Mechanical Systemの略。機械要素部品、センサ等を微細加工技術で集積化したシステム。

密閉対策以外にも活用できる舞台は幅広い

同シリーズは、「密閉」を監視する感染防止対策としての活用はもちろん、受動喫煙対策、作業環境対策、アスベスト作業現場での漏洩監視、疫学調査などへの展開も考えられる。差圧計は、現在対応が逼迫している感染症病棟やPCR検査所など陰圧管理が必要な施設に用いることで、感染リスクの管理にも役立つだろう。

新型コロナの感染拡大によって急速に浸透した新たな価値観や生活様式は、アフターコロナの時代にもその多くが引き継がれていくことが予想される。特に、感染リスクを管理することへのニーズが下がるとは考えにくい。そんな新たなスタンダードに適合しようとする企業にとって、同シリーズは有望なソリューションの一つになり得るだろう。

取材日:2020年10月16日

企業情報

柴田科学株式会社

1921年創業。主な事業は理化学ガラス・科学機器・環境測定機器・プラント装置の開発・製造・販売。「世界の人々の安心と安全そして健康に貢献すること」を経営理念に掲げ、「空気質測定器シリーズ」のほか、マスク性能試験装置やマスクフィッティングテスターも開発している。

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