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新価値創造展への出展はヒントと刺激の宝庫。 世に無いものをつくる「開発型」の会社へ株式会社広栄社

2017.03.21

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長年の出展経験を持つオーラルケア用品メーカー株式会社広栄社。新価値創造展では、ユニークな分野を追求することによる企業体質の変革や、意欲的な出展者同士の出会いに意義を見出している。

「三角形」のつまようじ

広栄社は2017年1月をもって100周年を迎える、オーラルケア用品の老舗メーカーだ。取締役会長職を務める稲葉修氏にお話をうかがった。

広栄社のある大阪府河内長野市は、昭和の頃までは、つまようじ製造の大シェアを誇る、いわば”世界のつまようじ工場”だったのだという。

「ところが平成に入った頃、同業者たちは生産をすべて中国に持って行ってしまいました。いまはつまようじの国内販売95〜96%は海外製でしょうね。悲しい結果ですが、私どもは特殊なものを作ってきたので続けてくることができました」

その“特殊なもの”の代表格が、同社が50年以上生産し続けている、断面が三角形のつまようじだ。

「実は日本で主流の丸いようじは、食べ物を突き刺す『料理ようじ』。歯の隙間は三角形ですから、オーラルケア先進国の北欧では歯には三角形のようじが使われています。これを日本で広めたいのですが、"ようじは丸い"という固定観念が強く、なかなか売れません。そこで、世の中には出回っていないオーラルケア用品を開発しようと、最初は歯間ブラシの開発を始めました。いまはだいぶ普及しましたね。そのような"無いもの"を、機械からひとつひとつ作っています」

そんな同社の代表的ヒット作が『歯のピーリングスポンジ』だ。

「歯を傷つけず着色汚れをきれいにするスポンジで、歯科医院等でも大変評判のいい商品です。お掃除に使うメラミンスポンジに似ていますが、メラミンフォームに特殊な加工を施し、安全性に徹底的に気を配っています」

歯と口腔の健康で世に資する

多くの人の手に届いた『歯のピーリングスポンジ』。しかし稲葉氏はただヒットに甘んじるということはない。

「私どもは主に歯の"健康"に取り組んできましたが、日本ではやはり"見た目"のものの方が売れる傾向があります。歯が大切だという意識が薄いと思うのです。若いうちから歯の健康に対する意識を高め、簡単に歯をケアできるようにして、その結果みんなが最後まで美味しく食べられる社会にしたい。その一助になりたいと思っています」

その言葉どおり同社からは、舌や歯を痛めずに"舌苔"を掃除するためのツールや、手入れすることが難しいため一番最初に失いがちな"一番奥の歯"をピンポイントでケアする歯ブラシなど、ユニークな視点と機能性が光るケア用品が多くリリースされている。

創造的な出展社同士の刺激が魅力

そんな広栄社は新価値創造展の前身である『中小企業総合展』から長年にわたる出展経験を持っている。稲葉氏は出展を通じて企業の体質までもが変わっていくと語った。

「新価値創造展に出展するということは、並ではない独自のものを作るということです。他社が作らないユニークな分野を開発する。それによって会社の性格も変わって、いわば『開発型』の会社になります。そしていざ出展してみると、周りもそういう企業ばかりが出ているわけですから、ものすごくいい刺激を受けます」

来場者へのアピールもさることながら、ユニークな出展社どうしのつながりにも大きな意義があるのだという。

「開発のヒントも多いですし、実際に展示会で知り合ってお取引いただいている企業もあります。その関係は長く続きますよ。何せ、同じ出展社としてユニークなことに意欲のある方々ですから」

“自分の分野”を徹底的に追及する

「いま中小企業に望まれているのは、世の中に無い新しいものを作り、社会の活性化につなげるということ。どんな企業も、しっかり自分の分野で考えて追求していけば、必ず世の中に役立つものを作れると思っております。『爪楊枝でもできるんですから、どんな仕事でもできますよ!』というのが、私のいつものアピールなんですよ(笑)」

コミカルな口調で締めくくった稲葉氏。口腔という小さな世界を深く追求し、創造することを誰より楽しんでいる様子が印象的である。


稲葉 修 取締役会長

企業情報

株式会社広栄社

1917年創立。1960年三角ようじの製造機を開発し、北欧へ輸出。1988年歯科医の依頼で歯間ブラシの製造機を開発。2000年舌を傷つけないタンクリーナーを開発。2008年歯の着色汚れを取るスポンジを自社開発。2012年奥歯専用の歯ブラシを自社開発。生産・加工機は全て自社開発。

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