BreakThrough 企業インタビュー

世界のものづくりを支える精密位置決め技術株式会社メトロール

2016.11.07

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CNC工作機械の加工不良発生を未然に防止

  • ものづくりの最前線で加工不良品の防止に欠かせない「精密位置決めスイッチ」の開発を続ける企業の独自技術へのこだわり。

トヨタ自動車との共同開発から精密位置決めスイッチの開発へ

株式会社メトロールは1976年に、現代表取締役社長の松橋卓司氏の父・松橋章氏によって、ものづくりの現場で求められる測定機器の設計・製造を目指し設立された。当初は一品ものの設計を請け負うことがほとんどで、なかなか収益を上げることができなかったが、1977年にトヨタ自動車から測定器の開発依頼を受けたことが大きな転機となった。当時トヨタでは、自動車の生産ラインで不良品を選別できる堅牢な測定器を必要としていた。トヨタからの要求精度は非常に厳しいものだったが、メトロールではこれに果敢に挑戦し、両社の共同開発によって誕生したのが「高精度MTタッチスイッチ」である。その後メトロールはこの製品を基礎として、「精密位置決めスイッチ」の技術開発を進めていくことになる。

CNC工作機械用ツールセッタ

機械式センサーにこだわり、世界トップクラスシェアを獲得

工作機械で使われる刃物は使っているうちに起点がズレたり、刃こぼれが起きるため、そのままでは不良品を生み出すことになる。そのズレを検知して正しく補正するためには、精密な位置測定を行うセンサーが欠かせない。当時、光や磁気を使った非接触の電気式センサーが主流だったが、メトロールでは接触して測定する機械式センサーを発展させる手法をあえて選択した。電気式には長所も多かったが、加工現場の油や金属粉が飛び交うような環境下ではノイズや温度変化などの影響を受け、精密測定を行うことが難しかった。機械式にこだわったメトロールは、独自の精密設計によって電気式が苦手とする悪環境でも、1ミクロンのレベルでばらつきの無い位置測定が可能なセンサーの開発に成功した。

生産現場でコンピュータ数値制御(CNC)の工作機械が普及し、生産ラインの自動化が進むにつれ、メトロールの精密位置決めスイッチは高い評価を受けるようになる。加工前に工具の刃先の原点確認と加工中の刃の摩耗折損を自動検知してフィードバックを行う「CNC工作機械用ツールセッタ」は大ヒット商品となった。国内メーカーが海外に生産拠点を移していく中、中国、台湾、韓国でもメトロールの製品が使われるようになるが、それにともない海外メーカーからも直接注文が舞い込むようになった。現在では64カ国以上に製品を出荷し、機械式の精密位置決めスイッチでは、世界トップクラスシェアを誇る。これによりメトロールは、2014年の経済産業賞「グローバルニッチトップ企業100選」を受賞している。

エアマイクロセンサ

加工不良品の発生を事前に防ぐ「エアマイクロセンサ」

現在のものづくりでは、完成品の中から不良品を選別するのではなく、そもそも不良品を作らないようにするための仕組みを生産工程の中に最初から組み入れることが重視されている。何か問題を発見した場合、その場で工程をストップすれば、加工不良品の発生を未然に防ぐことが可能となるからだ。

不良品をゼロにすることを目指し、日夜生産工程の改善に取り組んでいる各メーカーの担当者から注目を集めているのがメトロールが新たに開発した「エアマクロセンサ」である。この製品は空圧技術を用いたギャップセンサで、他社製品の精度が20ミクロン程度だったのに対し、±0.5ミクロンという精度で測定が可能。これにより微細な切粉によるワークと治具の着座不良を事前に検知可能となり、検知した場合は自動で工程を停止するため加工不良品の発生を事前に防止できる。自動車部品メーカーやハードディスクの製造工程など幅広い分野で活用され、生産性の向上に大きく貢献するエアマイクロセンサは、2015年に「東京都ベンチャー技術大賞」で優秀賞を受賞している。

企業情報

株式会社メトロール

工場の自動化に貢献する、精密位置決めスイッチの専門メーカー

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