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泡の力で洗浄する「マイクロナノバブル発生システム」
1ミクロン(0.001mm)以下のナノバブルを発生させる有限会社トリビオックスラボラトリーズ

2018.03.09

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水のみで油汚れの洗浄が可能に
1ミクロン(0.001mm)以下の泡を発生させる「マイクロナノバブル発生システム」

学ぶべきポイント

  • 水のみで洗浄するという環境負荷への高い意識
  • より高度な性能を求め続ける開発心

微生物危害のない安心・安全な食品や環境の提供を目的として、加熱滅菌に関するデータベースを駆使した事業を展開しているトリビオックスラボラトリーズ。同社では長年の研究をもとに、直径30ミクロン(0.03mm)以下の泡を発生させることで油汚れなどを剥離させることが可能な「マイクロナノバブル発生システム」を開発。金属加工メーカーなどに導入していただいている。

「マイクロナノバブル発生システム」は、長さ50センチメートル、幅50センチメートル、高さ55.3センチメートルの箱型の容器に、ポンプとマイクロナノバブル発生器を組み込んだ機器だ。ポンプが水を吸い込むと発生器が回転する「旋回流方式」を採用しており、発生器の回転により水の内部で空気がせん断され、直径30ミクロン(0.03mm)以下の泡が発生。泡は周囲からの圧力により1ミクロン(0.001mm)以下にまで縮小していく性質を持っており、0.1ミクロン(0.0001mm)にまで縮小すると、衝撃でエネルギーを発生させ、油や汚れなどさまざまなものを剥離させるという。こうした性質により、従来のように有機溶剤などを使用することなく、水のみで金属に付着した油などを落とすことができるというわけだ。洗浄時間は対象物によって異なるが、従来の手法で洗い終わるまで半日を要していた汚れが、同製品では1時間程度で落とすことも可能となる。

同製品内部の構造。ポンプで吸い上げられた水から発生器の回転により泡が生まれる。

同製品は2012年にベンチャー向け施設の研究棟で開発が進められ、2015年に製品の核となる発生器が特許を取得した。開発では、1ミクロン(0.001mm)以下の泡「ナノバブル」の発生について試行錯誤を繰り返した。開発当時は、0.1ミクロン(0.0001mm)まで縮小した泡を正確に分析する手段がなかったため、ナノバブルが正しく発生しているかを見分けることに苦心したと、同社副代表の平賀哲男氏は振り返る。

2017年には、より形状をコンパクトにした新型を開発。現在は、より性能を向上させ、オゾンを含んだ泡「オゾンマイクロナノバブル」を発生させるシステムの完成に向かって研究を続けている。オゾンマイクロナノバブルは強力な酸化力や殺菌効果が得られるため、たとえば歯の治療の際の洗浄など、医療分野での利用も期待できるという。すでに根幹となる部分は開発を終えており、今後は製品が使用される分野に最適化するための調整段階に入っているといい、早ければ2018年中には製品化される見通しだ。

洗浄以外でも、水質浄化や溶存酸素の供給など、さまざまな効果が期待できるという。
  • 現在、同社が開発を進めている「オゾンマイクロナノバブル」の発生システムは、ウイルスや細菌に対する殺菌効果が期待できるという。たとえば生牡蠣の殺菌なども行うことが可能になるわけで、となれば、食品分野での応用も十分に考えられそうだ。医療や製造の現場のみならず、より生活に身近な分野への普及にも期待したいところだ。

企業情報

有限会社トリビオックスラボラトリーズ

環境負荷の低減
マイクロナノバブル発生システムと加熱滅菌データベース(ThermoKill Database)を専門とする会社です。

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