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住宅用断熱材の革新!セルロースファイバーをマット化した「エコパルトン」協同組合ティー・ディー・アール

2019.02.14

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「古紙活性化プロジェクト」により、研究されてきたエコパルトン。開発までに18年を要した

学ぶべきポイント

  • 既存の製品の弱点を克服するソリューション
  • 既存の技術を組み合わせることで得られた、世界発の新発明
  • 18年間あきらめずに、ひとつの課題に挑戦

近年、地球温暖化が問題視される中、国は省エネルギー性能の高い住宅供給を進めている。日本の家庭では、冷暖房が家庭のエネルギー消費量の多くを占めている。にもかかわらず、他の先進諸国と比べて、住まいの断熱性能は劣る傾向にある。
また、毎年、熱中症やヒートショックなどで、多くの人が亡くなっていることを踏まえると、住宅や建築物の断熱性・省エネ性の強化は、もはや避けては通れない課題だといえる。

一方で、日本で使用されている様々な住宅用の断熱材には、長所と短所があり、一般の消費者にとって、その選び方は難しい。例えば、比較的低コストで、日本の住宅に多く使われている断熱材のグラスウール(ガラスを高温処理し繊維状に加工したもの)は、湿気に弱く、大量に水分を吸収してしまうと、本来の断熱性能を発揮できなくなるという弱点がある。また、ウレタンやポリスチレンなどの発泡プラスチック系断熱材は、一旦火がつくと燃え広がりやすく、燃えたときに、高い温室効果を有するフロンや有毒ガスであるシアンガスを発生させる。解体後に産業廃棄物になる石油製品であることからも、代替品の開発が求められていた。

「エコパルトン」は、このような既存の断熱材の弱点を、全て解決した製品だ。新聞紙などの古紙の繊維を裁断・撹拌し、綿状にしたセルロースファイバーを、さらに、マット状に成型し、断熱性能だけではなく、難燃性、防音性、調湿性、防虫などの付加機能を持つことがその特長だ。難燃剤としてホウ酸を添加しており、ガスバーナーで直接燃やしても表面が炭化するのみで燃え広がることはない。古紙を主原料にしているため、地球環境にもやさしい。

エコパルトンの熱伝導率は、0.041W/m・K(密度60kg/㎥・50㎜厚)。吸音率は97%(1000Hz時)。性能を高めるためには、重ねて施工する

セルロースファイバーの断熱材は、断熱・防音効果も高い素材として、もともと海外ではよく使用されているが、施工者が専門の講習を受ける必要があるなどの理由により、日本ではほとんど普及してこなかった。エコパルトンは、それをマット化することで、施工性を大幅に向上させた画期的な製品だ。

マット化を可能にしたのは、「電波加熱成形法」と呼ばれる基本技術。セルロースファイバーに、ポリエステル等低融点短繊維のバインダーを加えて、マイクロ波をあてることで固めている。セルロースファイバーのマット化の成功は世界初であり、その製造方法は、特許(特許第64022299号)を取得済みだ。埼玉県内に工場を新設して、製品を量産、安定供給できる体制が整ったことから、2018年12月に本格的に販売を開始した。今後は、全国に生産拠点となるパートナーを求め、日本各地での地産地消を目指したいとする。

選び方を間違えると、住宅性能や安全性などにも大きな影響を与える断熱材。断熱材選びの大切さについて、もっと消費者に知ってもらうことも、これから乗り越えたい課題の一つである。

ちなみに、この製品開発の発端は2000年、「地球を環境破壊から救おう」を理念に立ちあがった「古紙活性化プロジェクト」だ。水をほとんど使用せずに古紙を解繊する技術や、通常は、可燃ごみとして処理されている食品の紙容器などを、紙セルロースとフィルムに分解する技術を確立するなど、さまざまな企業団体等が関わり、環境問題に取り組んできたことが現在につながっている。

■エコパルトンの製造元
協同組合ティー・ディー・アール(グリーンペット株式会社)
〒196-0034 東京都昭島市玉川町2-8-4
TEL:042-549-0425

取材日:2019年1月9日

 

企業情報

協同組合ティー・ディー・アール

私達は、地球環境保全の使命が急務です、2020年、施行される『次世代省エネ基準適合義務化』に伴う高性能断熱材が開発15年、夢の防音断熱材が完成しました。防音・断熱・難燃・調湿・防水、万能です、植物系セルローズが主材料です、エコです。

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