PICK UP

難接着性のCOP樹脂でのマイクロ流路を実現
医療・ライフサイエンス分野での注目のデバイス素材深江化成株式会社

2018.03.22

SHARE
  • facebook
  • twitter

溝幅数μm~数十μmのCOP樹脂製マイクロ流路が接合技術で実現

学ぶべきポイント

  • プラスチック微細加工技術に新技術を組み合わせる
  • 難接着性を克服させる表面改質接合技術
  • 表面改質の可能性を追求

医療用・ライフサイエンス分野で活躍可能なマイクロ流路

微細加工を施したプラスチック射出成形品の量産技術の研究や、ライフサイエンス消耗品などを製造開発する深江化成株式会社が、検査器材、血液分析セルなどの医療用にも使用されるCOP(シクロオレフィンポリマー)樹脂性のマイクロ流路の開発に成功。
同社が10年以上にわたり培ってきたプラスチック微細加工技術、特に溝状加工技術と表面改質接合技術により製品化への道筋が大きく開けた。

COP樹脂のマイクロ流路への期待

一般的に樹脂同士を接合させるためには接着剤を用いるか、熱で溶着させる必要がある。しかし、バイオ、ライフサイエンス分野においては、接着剤由来の溶出物に細胞毒性があるものや、反応に影響を及す可能性があるため、接着剤を使用することは難しい。また、熱溶着させる場合も、微細な加工を施した形状が崩れてしまうため、同分野でのマイクロ流路への使用はできなかった。

同社の持つ表面改質接合技術は、COP樹脂の接合面を分子レベルで改質し、微細加工された形状に影響を与えずに接合することを可能にした。
COP樹脂は高流動、精密成形、高転写、高透明、低吸着、剥離、耐薬品性など、数々の非常に魅力的な性質を持っている。
同社のプラスチック射出成形による超微細加工技術である溝状加工は、幅数μm級まで成形可能で、さらに表面改質技術を組み合わせることにより、複雑なマイクロ流路でも比較的自由に作成することが可能となる。
今後、COP樹脂製のマイクロ流路は、より少ない血液や試薬で行うことが可能となる血液検査キットへの組み込みなどを見込んでいるという。

異種材料同士の接合を研究

再生医療などに不可欠な細胞培養を行う際、シャーレなどの基材表面の親水性や表面の官能基および電荷が細胞の増殖と分化に影響を与えることがわかっている。特に接着細胞の培養は、基材表面に細胞が吸着できることが重要で、細胞表層の電荷と基材の相性が培養のカギを握っているといわれている。その相性は細胞種によって異なるため、各方面で表面改質手法やコーティングが試みられている。
バイオ、ライフサイエンス分野では、接着剤から溶出する物質に細胞毒性があったり、反応に影響を及ぼしたりする可能性あるため、接着剤を使わない接合方法は非常にこの分野の製品に適している。
難接着性のCOP樹脂の接合を実現した同社は、さらに、PMMA(アクリル樹脂)、PC(ポリカーボネート)をはじめとした、他の樹脂や異種材料同士の接合の研究のほか、培養プレートの開発に伴う独自の研究とノウハウの蓄積を進めている。

  • マイクロ流路は極めて微細な流路を集積した器具で、少量の細胞・試薬での実験や分析時間の短縮が可能であり、化学・生物の実験効率化が期待されている。
    同社のCOP樹脂を使ったマイクロ流路は医療用検査システムの基幹部品として期待されるバイオチッププレートやマイクロリアクター分野において注目が集まるだろう。

企業情報

深江化成株式会社

数十μmの形状を量産できるプラスチック微細加工技術と、最先端の生命科学、医療分野の基礎研究に特化した製品開発ノウハウを2本柱に、微生物、細胞、DNA、タンパク質、血液などの研究に欠かせないラボ用品を開発しております。カスタムメイドの特注品や共同開発にも企画・設計から量産までお応え致します。

企業情報ページはこちら

SNSでシェアしよう

関連記事