BREAKTHROUGH

産官学連携で培った技術を応用し、
世界初の完全無人化レンタサイクルシステムを実用化。株式会社ベルニクス

2017.10.03

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世界初のIoTを用いたワイヤレス給電による電動アシスト自転車と、低価格で導入が可能な完全無人化システムを開発。

summary

  • 常に独創的であろうとする企業姿勢
  • 産官学連携による技術開発への積極性
  • 出会いのチャンスを逃さない姿勢

ユニークな製品化のための企業姿勢

産業機器用の電源機器メーカーとして、航空機、医療、通信、発電、列車制御、半導体製造などで使われる電源装置を設計製造するベルニクス。近年は小型化、多様化する電機機器ニーズに対応するため、非接触給電、高効率LLC回路、直流給電システム、遠隔監視、セミカスタムフルデジタル電源など、新たなソリューションを提案している。

特に注目すべきは、同社が提供するワイヤレス給電システムだ。送受電巻き線の磁気結合を強めることで、電力送電に必要な許容位置ズレ範囲を拡大。電力送電効率は96%を実現し、移動体のバッテリー充電自動化に必要な位置ズレの解決に貢献できる。

産官学連携で培った技術を実用化

同社の独自ワイヤレス給電技術は特許出願済で、様々なシステムの充電自動化を実現できる。例えば、近年同社が埼玉大学と共同で開発した電動自転車ワイヤレス給電。そもそも同社は電動アシスト自転車に縁もゆかりもなかったが、知見と技術を見込まれさいたま市から電動アシスト自転車の開発を依頼された。その依頼を受け、同社は子どもの安全性を確保する電動アシスト自転車を開発。それを皮切りに、埼玉大学と電動自転車ワイヤレス給電の共同開発を行い、2016年3月に武蔵浦和駅、南与野駅に世界初の完全無人化レンタサイクルシステムの実用化を実現した。

さらに2016年秋には、レンタサイクル事業に進出した大手通信機器メーカーと出会ったことで事業はさらに多角化する。大手通信機器メーカーのクラウド、通信技術とベルニクスのワイヤレス給電技術を融合させた世界初の「IoTを用いたワイヤレス給電による電動アシスト自転車と、低価格で導入が可能な完全無人化システム」を開発。事業化することに成功した。東京オリンピックまでに1万台の販売を目指す予定になっている。

2016年3月に武蔵浦和駅、南与野駅に世界初の完全無人化レンタサイクルシステムを実用化に成功。

きっかけはドイツミュンヘンで開催されたエレクトロニカ展。

同社が電動アシスト自転車の開発をさいたま市から依頼されたのは、ドイツのミュンヘンで開催するエレクトロニカに出展したことがきっかけだ。
ドイツの巨大な展示場で、欧州の技術進歩したパーソナルモビリティを多く見聞した同社鈴木会長は、帰国後、同市の関係者にその体験を話した。そこから「埼玉大学でパーソナルモビリティーの研究発表会があるので鈴木さんに講演をして欲しい」と依頼された。

その時に欧州の自転車文化に注目した「欧州自転車見聞録」と題した講演をしたことで、
数日後、さいたま市から「子供の安全を高める電動アシスト自転車を開発して欲しい」、「子育て自転車を、子育て中のお母さんに貸し出したい」という話へと発展していった。

そうした熱意に押され電動アシスト自転車のワイヤレス給電システム開発に至ったのだ。

「わが社は電子機器を造る会社です。自転車など作れません。しかし、さいたま市の方の熱心に説得され、結局、開発を引き受けることになりました。大きなママチャリにチャイルドシートを付けて、前後に子供を乗せて街を走っている姿を思い起こしながら、子供の安全を高めるにはどうすればいいか、試行錯誤した記憶があります」

縁もゆかりもなかった電動アシスト自転車開発に乗り出した当時を同社の鈴木会長はこう振り返る。謙遜しながら語ってはいるが、同市や大手通信機器メーカーから連携の話が持ちかけられるのは、同社が優れたコア技術を持っていたからに他ならない。

同社が提供する非接触給電システム。電極が表面に出ないので感電の心配もなく、摩擦による劣化もない。

現場視点と社会要請が合致することで、非接触給電システムは生まれた。異分野であっても目的を明確に持ち、外部の技術と的確に組み合わせれば新価値は生まれる。同社の実績は、産学連携を上手く利用した成功事例だと感じた。

企業情報

株式会社ベルニクス

当社は、エレクトロニクスの心臓部である電源装置を造る会社です。高周波でのスイッチィングレギュレータを応用した産業用直流電源、高精度高圧直流電源、DC-DCコンバータ、アナログ/デジタルのハイブリットIC、マイクロコンピュータ応用製品の設計、開発製造、販売が主な仕事です。また、近年小型化、多様化する電子機器ニーズに対応する為、非接触給電、高効率LLC回路、直流給電システム、遠隔監視、セミカスタムフルデジタル電源をキーワードに、新たなソリューションを提案します。

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