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最小30㎚の化学組成が均一な「革新的球状ナノ粒子」は、粒径・内部構造・粒径分布などが制御可能。様々な業界の課題解決に寄与する株式会社ケミカルゲート

2019.02.26

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走査電子顕微鏡で見た革新的球状ナノ粒子

学ぶべきポイント

  • 革新的球状ナノ粒子の量産化を可能にする「革新的球状ナノ粒子製造プラットフォーム」を構築
  • 様々な共同研究を行い、短期間で大きな成果を創出
  • 革新的球状ナノ粒子を応用展開により、多様な産業分野の課題解決、高付加価値化に尽力
  • 画期的負熱膨張球状微粒子(CG-NiTE)の量産化技術の確立

近年、ナノテクノロジー(以下ナノテク)の発展が目覚ましい。
ナノテクとは、1mの10億分の1である1㎚の精度を扱う先端技術をいう。㎚オーダーの物質の創製や制御を行い、それらの性質や機能を組み合わせて、様々な産業に活かすことを想定している。
一般に、反応は物質の表面で起こる。物質をより微細にすることで、単位体積、あるいは単位質量当たりの表面積が増えるため、反応活性が高まるなど機能性の向上が期待される。こうしたことから、ナノテクは21世紀の最重要技術の1つとして位置づけられている。

株式会社ケミカルゲートは、こうした超微細な㎚や㎛オーダーの粉体の製造技術である「革新的球状ナノ粒子製造プラットフォーム」をコア技術としている。酸化物や金属などに特殊な合成を施すことで、顧客の様々な要望に対してカスタマイズを行い、高付加価値な革新的球状ナノ粒子を製造するのだ。

同社の革新的球状ナノ粒子には、他社のナノ粒子にはない特徴を持っている。
・粒形が、均一な球形である。また、微細構造までナノレベルで均一である
・ナノレベルでも、化学組成が均一である
・粒径などのサイズが制御できる。最小粒径は30㎚を実現
・内部構造の制御も可能。内部構造には、内部が空洞になっている「中空」と、空洞がなく物質が塊状になった「中実」(下写真参照)、スポンジのように多数の細孔を持つ「ポーラス」があるが、同社はこれらを作り分けることができる
・粒径分布も制御できる。粒径のばらつきを示す分布域が狭い、粒径分布のシャープなナノ粒子などへの要望にも対応可能だ

中空構造の革新的球状ナノ粒子
中実構造の革新的球状ナノ粒子

同社は、大学の研究シーズであった微細な粉体の製造技術を元に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の平成26年度「研究開発型ベンチャー支援事業」に採択され、2015年3月に会社を設立。コア技術等の製造特許を保有し、その後も技術革新に努め、成果を上げてきた。

たとえば、2018年夏ごろより始めた名古屋大学との共同研究では、同大学の竹中康司教授が開発した「負熱膨張球状微粒子(CG-NiTE)」の量産化に、世界で初めて成功した。
通常、物質は温度が上がると膨張するが、逆に、「負熱膨張」といわれる温度が上がると収縮する特殊な物質がある。この負熱膨張材料を、熱により膨張する材料に混ぜることで、熱膨張の制御が可能となるのだ。以前から、計測、工学、電子デバイス、航空宇宙などの産業で求められていた。
竹中教授が開発した負熱膨張材料を、同社が粒径1㎛レベルの微粒子とし、量産化に成功。1㎛レベルの微粒子としては従来材料の10倍の負熱膨張を実現する最高性能のものだ。今後、パワー半導体や3次元集積回路素子をはじめとする先端電子デバイスの高機能化・省電力化・長寿命化が飛躍的に進展する可能性があるという。
この成果は、2019年1月の「nano tech 2019」にて発表された。共同研究開始から約半年で成果を創出できた点は、産学連携の短期間の成果としても要注目だ。

負熱膨張球状微粒子(CG-NiTE)。平均粒径は1㎛の微粒子

また、NEDOの平成30年度「企業間連携スタートアップに対する事業化支援」の助成を受け、人工歯科材料の大手メーカーである株式会社松風とも共同研究を行っている。高強度と審美性を両立する人工歯科材料の実現を目指し、これにも成功している。ほどなく上市される予定だ。

成長著しい同社は、新価値創造展2018(主催:独立行政法人中小企業基盤整備機構)でも「新価値創造賞特別賞」を受賞した。同社取締役CTOの山田展也氏は「私たちが持つコア技術は、様々な産業技術のキーマテリアルになると確信しています。それを今回、評価していただき、とても光栄です。受賞後、展示会ブースにもたくさんの方にお越しいただきましたが、残念ながら、まだご要望にお応えしきれない面もあります。今後はさらなる技術革新にまい進したいと思います。また、私たちは小さなスタートアップですが、市場の成長性や競合の問題、価格や開発期間などさまざまな観点からマーケティングを行いながら、市場にある課題を私たちの技術で解決し、高付加価値をもたらすことで、社会に貢献したいと思っています」と語ってくれた。
今後、バイオや医療、エレクトロニクスをはじめとする様々な分野で、革新的球状ナノ粒子の応用展開が大いに期待される。

取材日:2019年2月8日

 

企業情報

株式会社ケミカルゲート

我々のナノ粒子は変幻自在です。強度を上げる、形を丸くする、複合原料を均一にする、中心を空洞にするなど素材の自由度を高めます。我々の技術はあらゆる産業に素材からアプローチし、これまでの不可能を可能に変える可能性があります。日本が世界に誇るナノ技術。不可能を可能にするナノ技術。それがケミカルゲートです。

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