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多様な機器へ組み込み可能な、高精度・高耐久の超小型ポンプ有限会社アットモル

2020.09.17

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豊富なラインナップで、多様な場面の小型化・高精度化に貢献できる

製品名=精密定量ポンプ「TS-MPシリーズマイクロポンプ」

幅広い機器の分注・送液システムなどに組み込むことで、小型化・高精度化を実現

自動車部品をはじめ幅広い分野の製造現場における分注※1・送液システムなどを支えているプランジャーポンプ※2は、高圧を得やすくストロークあたりの液体移送量を多くしやすいという利点がある半面、小型化と性能向上を同時に実現するには技術的なハードルが高かった。

有限会社アットモルの精密定量ポンプ「TS-MPシリーズマイクロポンプ」は、小型・軽量でありながら高い精密性・安定性を備えたプランジャーポンプだ。計量と連続送液の両方に対応し、毎分10μl(1μl=0.001ml)〜3mlという量の送液を高精度に行うことができる。耐圧性能は0.5~1MPaで、送液分解能は0.00635~1.0052μl/パルスを達成。分注装置、分析機器、臨床検査装置、診断装置といった各種機器へのモジュールとしての組み込みも容易で、特に高い精度と信頼性が求められる分野での活躍が期待される。
※1研究や検査において検体や試料となる液体を一定容量吐出すること
※2プランジャー(棒状の部品)の往復運動により、液体容積を変化させて送液する仕組みのポンプ

独自の技術で安定した高品質を実現

同製品では、高圧・高精度ポンプや関連部材の開発で同社が得たさまざまな技術と知見を活かし、高精度と長期安定稼働を実現している。

プランジャーについては超臨界流体機器※の開発で確立した研磨技術をもとに外寸口径±1μm以内の精度で鏡面研磨仕上げを行い、シール材にも高圧ポンプの開発で得たノウハウを導入した。そのほかの部品でも、社内での研磨加工などによりミクロレベルの仕上げ精度を実現。また、ポンプヘッドの締め付けには専用冶具を使用することで、品質の均一化を図っている。

これらの結果、流量を表すCV値の変動係数で、ほぼゼロに近い0.1235%を記録。生産個体差にぶれがない安定品質、高再現性を達成した。またプランジャー表面に独自のコーティング技術を施すことで、耐久性も大幅に向上。医療機器などでの長時間連続運転とストローク回数100万回保証を実現している。
※臨界点以上の温度や圧力下における物質を分析する装置

多様なラインナップを揃え、メンテナンス性にも配慮

ラインナップの豊富さも強みの一つだ。ポンプのモータは20mm角、28mm角、42mm角の3サイズを揃えており、モータのタイプも組み込み先ユニットの制御系に合わせて2相ユニポーラ型、2相バイポーラ型、5相モータの3種から選択可能。また流体分析機器では使用媒体が多様になるため、洗浄装置付き機能を搭載するなどメンテナンス性にも配慮している。

最初に狙った欧州市場での評判が口コミで広がり、その後米国や中国からの需要も拡大。海外ではすでに数万台を販売しているが、いまだ返品が出ていないという。今後は日本での販路も広げる考えで、すでに導入が進んでいる自動車部品、医療機器、各種分析装置などに加え、アクチュエータや特殊試薬の分注用など、より幅広い分野での活躍が見込まれる。先にグローバルな舞台での評価と信頼を勝ち得た同製品は、多くの企業にとって、低リスクで付加価値アップを実現するアイテムになり得そうだ。

取材日:2020年7月10日

 

企業情報

有限会社アットモル

大手精密・分析機器メーカーで超臨界流体機器を開発していた現代表が2003年に設立。高性能微量送液ポンプ、組み込み用マイクロポンプなど多様なポンプ、また精密ろ過用フィルターをはじめとする精密流体制御デバイスを開発・製造。社員育成や技術継承、サプライヤーとの関係づくりにも力を入れ、小型・高性能プランジャーポンプの開発・販売で平成29年度東京都経営革新優秀賞の奨励賞受賞。

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