BREAKTHROUGH成功事例

新価値創造展は想定外の出会いや個性豊かな来場者からのアイデアの宝庫ウインセス株式会社

2018.10.09

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同業種はもちろん、異業種のメーカーともつながりを持てるチャンス。先入観にとらわれないフラットな視点で交流を

1961年の設立以来、作業用手袋の生産販売に特化してきた手袋専門メーカーである、ウインセス株式会社。一口に手袋といっても、精密作業用、クリーンルーム作業用、医療・介護用など、用途は幅広い。大量生産の定番品から、特殊な用途の小ロットオーダー製品まで、生産能力も高いのが特長だ。

同社の「耐突き刺し安全手袋」は、柔らかく作業性が高いと評判だ。金属加工の現場で切削する際に生ずる細かなバリや削りカスが刺さらない構造になっている。手首までの全体、指先だけ、手の甲だけなど、顧客の要望より耐突き刺し性が必要な部分のみの手袋を製造することができる。
「患者用保護ミトングローブ」は、点滴などの針や管を、患者自身が抜くのを予防する手袋。他社との大きな違いは、患者は内部で指先が動かすことができ、看護師はファスナーの開閉のみで患者の状態を確認することができること。双方のストレスが軽減される。着脱も容易だ。
代表取締役の橋本勝之氏に話を伺った。

耐突き刺し安全手袋。高い耐突き刺し性と作業性を兼ね備えている。柔らかさもあるため付け心地もよく、通気性もあり、蒸れにくい

 

患者用保護ミトングローブ。点滴などの針や管を、患者自身が抜くのを予防する手袋。地元医療機関を協力して製品開発した

新価値創造展に出展したきっかけは
初めて出展したのが2016年です。これまで関わりを持つことができていない業界の方々と意見を交換したいと、当社の主力商品である手袋以外の商品を出展しました。クリーンルームなどで使用する設備・ロボット用オーダ―メイド布カバーです。それまで展示会に出展したことがなかったので、商品説明の文章も手探り状態でした。オーダーメイドで、どんなカバーでも製作可能と書いたのですが、お客様には伝わらなかったようで、「いろいろって何ができるの」とよく質問されました。
実はオーダーメイドなので、作ったらお客様へ納品して終了。どのように使用されているかなどの写真もなく、カバーのみを展示しても、来場者には使用用途が伝わりにくかったようでした。

設備・ロボット用オーダ―メイド布カバー。機械を埃や汚れから守る、機械からの塵を外に出さないなど、さまざまなニーズに対応可能

2017年にも出展されていますね
二度目の展示は工夫しました。同じ轍は踏まないと。まず、使っているシーンが想像できるような商品を絞り込んで展示しました。耐突き刺し安全手袋と患者用保護ミトングローブです。労災防止の観点から注目してくださる方も多かったですね。布カバーは、「いろいろできる」という表現から「これができる」という具体的な内容に変えました。製品の可能性を自ら狭めるのはイヤだったのですが、お客様にはわかりやすく伝えたほうがいいということを学びました。どの製品も手に取っていただいたり、具体的な質問をいただいたりと、手応えを実感しました。

出展してどんなメリットがありましたか
50年以上手袋を作っていて、お客様も昔からのお付き合いが多いのです。ですから、来場者や他の出展者の方など、全く知らないお客様にご覧いただき、その要望を伺うなどのやり取りができるのが展示会の魅力だと感じました。実際に、商談が進み、現在試作している製品もあります。まだ詳しくはお話しできないのですが、患者用保護ミトングローブに興味を持っていただいた方から、形を変えてサポーターのようなものを作れないかと依頼を受け、サンプルの提出を何度か行いました。そろそろ仕上げ段階に入っています。
製品化に至らなかったものもあります。布でカギを作ってほしいというご要望でした。良い提案ができたのですが、コストやその他の問題で製品化は見送りとなりました。
展示会だからこその思いがけない依頼でしたね。勉強になりましたし、ワクワクしました。また、そのような依頼に巡り合えるのを楽しみにしています。 どの分野でもメーカーは、私はここにいますとアピールする機会を一つでも多く持たなければならないと思っています。総合展示会である新価値創造展は、通常であれば、接点を持つことがない異分野の出展者と来場者に見てもらえる貴重な機会です。

今後はどのような展開を考えていますか
レーザーの裁断機と最新型の裁断機を備えましたので、今後は金型がなくても手袋の完全オーダーメイドが可能になります。つまり、費用が削減できるということです。小ロットでも、特殊な布でも大丈夫。手袋の新しい分野を切り開いていきたいですね。
新しい製品開発も進めています。エアコンの風を調節するフィルターです。オーダーメイドの要素が高いので、得意分野だと目を付けました。
現在、取引はB to Bなのですが、プロ用の商品が一般の方に売れている時代なので、B to Cも視野に入れることも考えています。

-comment-
橋本氏は「世にないものを作り出して世に問うことは苦手で、お客様の要望を形にするだけ」と謙遜していたが、顧客のニーズをリサーチ・分析して、試作品を作成し、製品化するのは簡単なことではない。同社が、顧客からの要望を理解し、納得してもらえる製品を提供できるということは、長年培ってきた布製品に関する技術と、勘所が備わっているからこそ。新価値創造展出展でアイデアの幅が広がり、早くそれを具現化したいという橋本氏。次の新価値創造展では、どのような製品を紹介してくれるだろうか。

企業情報

ウインセス株式会社

電子部品、半導体、医薬品、自動車、食品メーカー等で使用される品質管理や歩留り向上に欠かせないクリーンな手袋を製造しています。国内生産ラインでは、耐突き刺し手袋、マウス補体用手袋、医療分野向けの製品などをレーザー裁断を用いた金型不要の生産技術を活用し、小ロット、オーダーメイド生産を行っています。

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