PICK UP

ユーザーニーズを的確にキャッチし
新たな商品開発に繋げ、社会貢献を目指す力ライフケア技研株式会社

2017.12.06

SHARE
  • facebook
  • twitter

発汗量と脈拍から熱中症を予兆するウェアラブル生体計測器

学ぶべきポイント

  • 足りないノウハウを共同開発で補い、IoT化を実現する挑戦心
  • ユーザー目線での妥協のなきブラッシュアップ

自分の体調や体質をセルフチェックできる製品を提供したいと、1997年、富山県に設立されたライフケア技研株式会社。ヘルスケアの分野における新たな医薬品・医療機器の研究開発および製造を行っている。眠りの深さをチェックできる「安眠チェッカー」や腕にパッチを貼るだけでアルコール体質を簡単にチェックできる「アルコール体質試験パッチ」など、機能性パッチの開発を得意とする。現在は、パッチ開発の技術力を活かし、熱中症の予兆をチェックできるリストバンド型のウェアラブル計測器の開発を進めている。

リストバンド型のウェアラブル生体計測器には、同社が開発した発汗センサと脈拍センサが搭載され、前腕部の局所発汗量を電気的に測定することで、連続的に熱中症の予兆を検知することができる。その計測情報はリストバンドの液晶部に表示され、熱中症の兆候を検知すると内蔵バイブレーターで本人に注意喚起を行う。さらに無線通信技術を使用することで、工事現場などでは、作業員の監督者や管理者のスマートフォン・タブレットへも測定情報が送信され、作業員個人だけでなく管理者の迅速な対応を促すことが可能となる。熱中症の発症リスクを軽減できる画期的な製品だ。

ウェアラブル生体計測器の開発のきっかけとなったのは、同社が2010年より販売している前腕部にパッチを貼り付けて使用する「発汗チェッカー」に関するユーザーのフィードバックがきっかけだ。
同製品のユーザーである電力会社から「非常に優れた製品ではあるが、パッチではなく、細かい数値をデジタルで表示できないか?」と問い合わせを受けたことをきっかけに同社は開発に着手した。パッチ製品をデジタル化するということはモノのインターネット(IoT)化するということ。電子機器の開発のノウハウを持たなかった同社は国内大手電機メーカーへ共同開発を打診し製品化を進めている。

2016年時の試作機はリストバンド部とセンサは分離していたが、ユーザーの利便性を追求した結果、最新モデルではリストバンド部の裏側に搭載されるなど、妥協を許さないユーザー目線のブラッシュアップが繰り返されている。現時点で開発は最終段階にきており、来春の完成を予定している。同製品のメインターゲットには電力会社をはじめ、建設現場や工場など高温になりがちな環境で働く作業員の利用を見込んでいる。

  • 熱中症の兆候を検知できる「ウェアラブル生体計測器」は現場作業員たちの熱中症の発症リスク低減に大きく寄与することは間違いないだろう。現時点で同社は高温下で従事する作業員をターゲットとしているが、日常生活において熱中症発症リスクの高い高齢者や子どもへの利用も大いに考えられる。
    また同社の得意とする皮膚分泌物の非侵襲による発色反応によるセルフケア製品は、計測する皮膚の場所や時間、汗や油分などによって様々な生体情報の測定が可能だという。同社が積極的に行っている企業との共同開発や産学連携などにより、新たなセルフチェック製品開発への期待が高まる。

企業情報

ライフケア技研株式会社

皮膚反応によるアルコール体質(遺伝子型)を簡易測定できるアルコール体質試験パッチ、皮膚分泌物(温熱性発汗・精神性発汗・TEWL・皮脂など)の変色反応・電気的測定による健康状態のセルフチェックができる測定・機器開発など

企業情報ページはこちら

SNSでシェアしよう

関連記事