PICK UP

筋力測定とトレーニングを同時に行える「レッグカールリハビリ機器」株式会社衣川製作所

2018.03.01

SHARE
  • facebook
  • twitter

筋力を数値化できる「レッグカールリハビリ機器」
収集データで最適なトレーニングメニューも提案

学ぶべきポイント

  • 筋力の数値化をリハビリに応用する斬新な発想
  • デザインや乗り心地まで妥協しない商品開発力

医療器具の設計開発や製造などを手がける衣川製作所。同社では長年にわたってエレクトロニクス業界で培ったノウハウを生かし、2003年から医療機器の試作、開発に着手。現在は、筋力を数値化できるリハビリトレーニング機器「レッグカールリハビリ機器」の開発を進めている。

「レッグカールリハビリ機器」には、これまでに蓄積してきた産業技術をもとに、力や位置などをコントロールする役割を担うサーボモーターを使用。手術後の患者の筋力の回復状況を数値で確認することなどを可能にする。情報をデータ化できるため、データを精査して効率的なトレーニング方法を提案することができるのが強みだ。また、患者ごとのリクライニングや座高の位置などのデータを記憶しているため、次に使用する際に前回の設定で、最適な位置でリスタートすることも可能となる。

リハビリテーションを受けている患者のさまざまな情報をデータ化。より効率的なトレーニング方法が提案できる。


開発のきっかけは、ウェイトの調整や椅子の高さなどをアナログな手法で行っていた現場の状況を改善したいという思いからだった。2016年から取り組みをスタートさせ、計測部分のアイデアは衣川製作所が担当し、実際の開発部分をトレーニングマシンの製造を手がけている企業へ委託する形で開発を進めた。だが従来、リハビリ時にデータを数値化するという事例がなかったため、現場の理学療法士とのイメージの共有が難しく、どの程度まで機能を付加して作り込むかなどを決める話し合いを重ねることで、使用者側の思いを反映させていった。

デザイン面でも、患者が使いたくなるデザインを意識し、乗り心地などもテスト。市販のマッサージチェアを参考にするなど妥協のない製品作りを追求した。現在も試行錯誤を繰り返し、使用者の意見を反映させながら病院でのテストを行っている段階で、まずは2018年中にトレーニングマシンとして販売。以降はリハビリ状況に合わせたカスタマイズができる仕様にし、医療機器としての販売を目指していく。

同社は全国への販売ルートを持たないため、今後は介護機器の販売などを手がけている企業とタッグを組み、全国展開に乗り出す。また、数値データを収集できるメリットを生かし、効率的なトレーニングを行うための“情報”を提供するビジネスモデルも視野に入れている。

  • リハビリデータの数値化は、最適なトレーニングメニューの作成に寄与するというメリットのみにとどまらない。たとえば患者側の視点から見た場合、筋力の回復度合いが可視化できるという点は、トレーニングのモチベーションアップにもつながるのではないだろうか。精度の高いデータの収集には多くの導入事例を作る必要があるため、いかに認知度を高められるかが重要となりそうだ。

企業情報

株式会社衣川製作所

長年半導体、エレクトロニクス関係で培われた、精密微細加工技術で持って、15年前から、医療機器の開発試作を行なっております。特に循環器系で使用されるマイクロカンシや整形外科における、膝、股関節に挿入される人工の骨、インプラント等を装着する為の、手術器具等の製作も行なっております。

企業情報ページはこちら

SNSでシェアしよう

関連記事