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磁石の力を利用して接触せずに回転する。世界に誇る新技術~歯のない歯車「マグトラン」~株式会社エフ・イー・シー

2018.08.23

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磁石による非接触駆動伝達方式

学ぶべきポイント

  • 既存の基幹業務(真空機器製造)から新製品を開発
  • 導入企業の製造ラインの効率化、低コスト化に貢献
  • 発塵が少なく、劣化しづらい製品づくりで環境に配慮

株式会社エフ・イー・シーは1989年、埼玉県狭山市で真空機器製造のメーカーとしてスタートした。そして1998年頃、真空機器をよりクリーンな状態にするために開発されたのが歯のない歯車「マグトラン」だ。

“Magnetic Transmission”を略してネーミングされた「マグトラン」は、名前のごとく磁石の引き合う力を使用し、非接触で駆動する。一つの歯車にマグネットの磁極がN・S・N・Sと順番に配置されているため、互いの歯車の磁極が引き合うことでスムーズに動く。既存の歯車と違う点は、歯車同士の「摩耗による発塵の低下」、ギア音、ベルト音などの伝達騒音の減少による「超静音の実現」、グリース補充やベルト交換が不要の「メンテナンスの簡略化」、摩耗による劣化を回避することでの「低コスト化」などが挙げられる。また、劣化を回避できる点では、歯車自体をより長く使用できることで省資源の点から環境にも配慮した製品といえる。

同社は、開発に2年程の時間を要したが、2000年に「通産大臣賞」を受賞すると注目度が高まった。テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」で紹介されると、東京エレクトロン株式会社が半導体の製造ラインに導入するため大量に採用を決定。その後は国内だけでなく、全世界の半導体メーカー、電機メーカーからの受注が相次いだ。現在は医療機器メーカーから、パンやうどんを製造する食品メーカーの製造ラインに至るまで、様々な業種に導入され、領域の幅を広げている。

最近ではロボット関係の企業にも導入されたが、特筆すべきは発塵の低下、超静音、グリース補充不要等のメリットからロボット本体の関節部分に使用されていることだ。導入される業種も様々なうえ、使用する個所も製造ラインだけにとどまらない。「マグトラン」はまだまだ無限の可能性を秘めている。

様々な業種の製造ラインで使用されている

磁石が引き合う力は、子どもでも知っているごく身近な自然法則だ。その誰もが知りうる磁石の力を既存の歯車に応用し、世界初の歯のない歯車というシステムを開発、製品化したことは驚嘆に値するだろう。開発の経緯も、よりクリーンな状態の真空機器をつくるためには、どのようにすれば塵を排除できるのか、あるいは摩耗しない部品をつくるにはどうすればいいのか、という開発当時の社員達の純粋な想いに端を発する。このことからも同社の製品づくりに対する、ひたむきさと真摯な姿勢が伺える。

画期的な製品であるこの「マグトラン」は、開発当時は特許申請され商標登録されたものの、現在は商標登録されていない。商標登録して情報を開示すると中国などの企業がコピーする恐れがあるというのが主な理由だ。

展示会でも注目度の高い「マグトラン」だが、導入する場合は、製造ライン自体を作り変えなければならない。そのため、既存の歯車の代替品として、そのまま導入することは難しいが、製造ラインを新設するタイミングで導入できれば極めて有効な技術だ。導入する企業にとって「マグトラン」は、まさに未来を推進していく上での欠かせない大切な歯車となるだろう。

 

企業情報

株式会社エフ・イー・シー

弊社は磁石を利用した非接触の駆動伝達機構「歯のない歯車 マグトラン」の開発、製造、販売を行っております。電子部品をはじめ製薬、食品、化学などあらゆる分野で進むクリーン化の時代に対応し、様々な非接触駆動機器の開発を行っております。

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