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「放熱性の高さ」と「軽さ」を兼ね備えた銅製ヒートシンク株式会社佐藤製作所

2019.12.10

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高い放熱効率を誇る銅製ヒートシンクは、オーダーメイドで一個から対応可能

製品名=「銅製ヒートシンク」

金属加工の技術とノウハウの結晶

電子機器などの放熱に用いられるヒートシンク(放熱板)には、高い効率性が求められる。株式会社佐藤製作所の銅製ヒートシンクは、放熱性の高い銅板を、独自技術で加工することによって「放熱性の高さ」と「軽さ」を両立させた、オーダーメイド対応のヒートシンクだ。

ヒートシンクの素材としては、一般にアルミニウムが用いられることが多い。銅は、放熱性は高いものの、比重の重さがネックになっていた。同社は60年以上にわたる金属加工によって培ったノウハウと極薄版精密接合技術を活かし、0.3㎜の極薄板を高密度、等間隔で配置した高冷却の銅製ヒートシンクを製造。ユーザーのニーズに即した形状、大きさで1個から提供している。加工はすべて社内で行っており、空冷・水冷のいずれにも対応でき、異種金属およびセラミックとの接合も可能。冷却対象物にあわせ、最適な設計提案を行っている。

難しいほどチャレンジしたい。超精密技術で課題を解決

軽さと高い放熱性が特徴の同製品は、「技術的に難しいケースに果敢にチャレンジする」という同社のモットーの実践から生まれたものだ。例えば薄い板を接合する際には熱によるゆがみが生じやすく、水冷の場合には変形や溶解で水漏れが起こりやすいなど、クリアすべき壁がいくつもある。さらに、冷却効率を上げるには、等間隔でできるだけ多くのフィンを並べて表面積を広げる必要があるが、それには非常に高い技術が求められる。こうした課題を試行錯誤しながら一つ一つ乗り越えていった結果、アルミニウムのおよそ2倍の放熱効率を誇り、水冷でも錆びにくい銅製のヒートシンクが完成した。

製品は完全受注生産で、オーダーは1個から受け付けている。問い合わせを受けると同社担当者がヒアリングを行い、設計の提案、正式な図面の完成を経て製作を開始。発注側ですでに図面ができあがっている場合は、必要な材料の調達から加工までを同社が請け負う。納期は形状などの条件によって前後するが、オーダーから3〜4週間での納品が目安となる。

既存品にない形状・性能もオーダーメイドで実現

同製品は、発熱を伴う電子機器、機械装置の冷却用として、多様な業種で利用されている。オーダーメイドで冷却性の高い製品を提供できることから、研究機関での導入も多く、今後は5G通信機器の冷却、各種ロボットの放熱、レーザー機器の放熱、ペルチェ素子の冷却、パワー半導体の冷却など特性を活かせる場面は幅広い。また、形状が複雑な製品、小型製品、さらにはアルミ製ヒートシンクの放熱力では十分でないケース、規格品では適合しないケースなどでの活用が期待される。

同社は銅や真鍮、超硬、タングステンなどの精密接合における国内のトップランナーを目指し、より付加価値の高い製品加工を推進。真空炉を導入し、大気中で接合できないセラミックス、チタン、ダイヤモンドなどの多品種・小ロットのろう付けにも取り組んでいる。セラミックと金属の接合など、異種材の接合に関する研究開発にも意欲的で、今後も新たな産業、製品に事業を展開していく方針だ。

異なる金属を直列に接合して電流を流すと、接合部分に吸熱・発熱効果が起こる「ペルチェ効果」を用いた半導体素子。

取材日:2019年7月24日

 

企業情報

株式会社佐藤製作所

東京都目黒区にある工場から、ろう付け溶接を中心に「職人の技術」を提供。中でも加工難易度が高い製品、微小部品、高品質品など、多様な要望に応える銀ろう付け技術の高さに定評がある。材料調達、部品加工、ろう付け・溶接、気密漏れ試験、メッキ、塗装などの一括受注が可能な点も強み。技術を継承し、次の時代に対応できる創造的なものづくり企業としての成長を促進しようと、新卒採用と技術者育成に力を入れている。

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