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ドップラーセンサーを利用した人体の体動を検出する装置で、介護施設やホテル、病院における遠隔監視システムを開発。センサーの種類を増やし応用範囲を拡大中昭和電子産業株式会社

2019.03.28

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介護施設向け人体体動検出常時監視・通報システム。ドップラーセンサーを内蔵し、心拍や呼吸を検知する

学ぶべきポイント

  • ドップラーセンサーを利用して、非接触で人体の体動を検出するシステムを構築
  • 圧力センサーなど様々なセンサーを活用し、データの送受信、解析、アウトプットまでのトータルシステムを提供

昭和電子産業株式会社は、電子部品から医療機器まで多岐にわたり、開発設計からデザイン・回路の設計、制御ソフトの開発、機械設計、電子部品の調達、基板実装、製品の組み立て完成まで、一貫した生産を行っている。受託生産を中心に、社会の困りごとを解決するための製品開発やトータルシステムの構築に取り組んでいる。

同社では10年ほど前から、高速道路での速度検出機の製造や、ビジネスホテルのシングルルームでの体調急変など異常を検知するシステムを受託した際に、ドップラーセンサーを活用する機会があった。
ドップラーセンサーは「動き」に反応する。運動している物体の検出や、そのスピードの差などを検知できるのだ。たとえば、ホテルのシャワーが長時間使われていた時、温度センサーではシャワーの湯も人体も熱を持つため、人体だけを検知することはできない。シャワーを出したまま体調が急変し倒れていても、外部からは気付けない。
だが、ドップラーセンサーを利用すれば、人体が動いているか、静止しているかがわかる。また、人体の心拍や呼吸を検知できる感度に設定すれば、動く人がいる、静止している人がいる、人がいないを判別できるため、プライバシーを保護しながら、異常事態を早期に発見できる。

そこのドップラーセンサーの技術をもとに、同社が開発したのが、非接触型の人体体動検出常時監視・通報システムだ。
当初はビジネスホテルや病院などへの設置が中心だったが、介護施設など、高齢者を見守る用途としても活用されている。

観察・見守り対象者の状態をドップラーセンサーと制御部で「体動」「静止」「検知なし」に区別して検出。検出したデータは、特定小電力無線通信を利用し、PCの画面上で確認することができるシステムで、ホテルならフロント、病院ならナースステーションなど管理者のPCに送り、24時間遠隔でモニターすることが可能になる。

また、同社が受託により設計開発した腕時計型受信機に情報を送ることもできる。これは特定小電力無線通信を利用した屋内通信装置で、異常情報を受けると、振動と音、文字でそれを通知する。高齢者を介護する家庭にドップラーセンサーを設置し、介護者が腕にこの受信機を付けていると、特定小電力無線の届く見通し直線距離で170~200mの範囲であれば、介護者が目を離していた時でも異常にすぐ気づくことができるのだ。

腕時計型受信機と送信機、充電器。目的によりセンサーやシステムを組み替える

ドップラーセンサーは、6~8畳ほどの空間なら1台で部屋全体をカバーすることができる。ただし、部屋の形状や家具・家電などの配置によっても、センサーの感度が変わるため、同社は設置場所に赴き、現場で検証して、感度の調節やセンサーの位置を決め、設置までのトータルサポートを行う。設置後に不具合や故障が起きても、また、使いづらさを感じるときも、設計開発を行った同社が修理や再調整などを行うことも可能だ。

さらに、同社はドップラーセンサー以外にも多数のセンサー技術を保有している。
たとえば、寝ている方の心拍や体動を検知するために、圧力センサーを寝具に組み込んで活用することもできる。ドップラーセンサーは非接触で、一度設置するとそのまま長期間利用できることが多いが、感度調整などに難しい面がある。一方で、圧力センサーは心拍等の感度は高いが、その都度、設置するなどの負担もある。

同社は、長所と短所を比較したうえで目的に応じたセンサーを使い分け、場合によっては複数のセンサーを併用して、得たい情報を取得する機器などを開発する。さらに、得た情報をどのように解析しアウトプットすれば使いやすいかまでを考えて、トータルシステムを構築している。「今後は、どんな目的にも対応できるように、利用可能なセンサーの種類をさらに増やし、総合的なシステムサポートにも注力したい」と同社代表取締役社長の吉沼昭夫氏は意気込みを語ってくれた。

取材日:2019年2月27日

 

企業情報

昭和電子産業株式会社

昭和電子産業は商品の開発設計からデザイン設計・回路設計・制御ソフト開発・機械設計そして電子部品調達、基板実装、製品組み立て完成までトータルで対応する企業です。また、ドップラセンサーと特定小電力無線技術を応用した介護関連の常時監視省人化システムを開発・製造・販売して関連業界に貢献しています。

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