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IoT普及のボトルネックを解決に導く
「マイクロ精度製造技術」株式会社小松精機工作所

2018.02.20

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ステンレス鋼を利用することで低コスト・高精度・高生産性を実現した「三次元構造部品のマイクロ精度製造技術」

学ぶべきポイント

  • 従来では不可能だった技術を、多方面のアドバイザーを迎え実現
  • 想定外の分野での引き合いもチャンスと捉え、新規顧客獲得につなげる積極さ

IoT(モノのインターネット)時代の現代において、IoT機器のセンサーに利用される素材の多くは、シリコン製。しかし、シリコンはステンレス鋼と比較すると費用面で約10倍にもなり、ある意味で高級素材だ。このことがIoT機器普及のボトルネックとなる可能性として懸念されていた。
シリコンではなく、ステンレス鋼を素材に部品を製作できれば、単価を安く、そして普及を加速できる。こういった背景から、株式会社小松精機工作所は「三次元構造部品のマイクロ精度製造技術」を確立させた。

サポイン事業の採択を受け3年をかけて開発
ステンレス鋼を、低温かつ短時間で強固に、そして大量にプレス加工できる同技術。この技術は、精密加工、立体造形、表面処理などの技術向上につながる研究開発から販路開拓までを経済産業省が支援する「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」の採択を受け、2013年から3年をかけて同社を中心に開発が行われた。
同社研究開発部の白鳥智美氏は、サポイン事業を通じて大学などの研究機関や、金属加工に精通する圧延メーカーをアドバイザーに迎えることができたことが、この技術を完成させるに至ったと言う。
ステンレス鋼を加工する従来の技術では「高温によって鋼に歪みが発生する」、「強度が不安定」、「生産性が低い」といった問題点があった。しかし、同技術を用いることで、低温化による加工時間の短縮、加工精度の安定性の向上、精度保障に優れた「メタルマイクロポンプ(センサーデバイス部品)」を手がけることが可能となった。

技術の確立が予想外の結果に
同技術を用いて世の中に役立つメタルマイクロポンプの事業化を目指している同社にとって、予想外の展開がおきた。それは、自動車部品会社や大手電気機器メーカーなどから、「同技術を用いたデバイス部品の評価をしてほしい」という依頼を受けたことだった。
製造ではなく評価という予想外の引き合いに、同技術の精度の高さに対する注目度の高さが見て取れる。製造技術を向上させて安価で大量のデバイス部品の製造に用いるという当初の目的だけでなく「製品評価」という新たな使用用途によって新規顧客の獲得にも繋がっている。

  • IoTデバイス普及のボトルネックでもあった素材問題も、同技術を用いることが解決策となり、さらに安価で提供することも可能となる。IoTデバイス開発が今後重要視されている自動車業界、医療業界、セキュリティ業界、家電業界などにとっても、注目される存在になるだろう。

企業情報

株式会社小松精機工作所

時計部品や燃料噴射部品製造で培ったマイクロ部品の量産加工技術を基盤として、次世代を切り開く加工技術の開発を進めています。

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