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誰でも簡単に瞬時に測定できる「精密加工部品面取り寸法の高速高精度測定装置」。特許登録も果たしたニッチトップ製品!有限会社丸之内マシーナリ

2018.07.26

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精密加工部品面取り寸法の高速高精度測定装置

学ぶべきポイント

  • 顧客のニーズを掘り起こし、市場にない製品の開発に結び付ける
  • 下請け企業を脱し、定番商品の開発で自立企業に成長

1991年に創業した有限会社丸之内マシーナリは、リーマンショックなどの景気の変動を受け、大手機械メーカーからの受注が激減。創業以来続けていたオーダーメイド品の開発・製作に、今こそ軸足を移そうと定番商品の開発にも着手。完全自立企業を目指した。

同社の定番商品第1号が、「面取り寸法の測定装置」だ。2013年度「ものづくり・商業・サービス革新事業」の補助金を受け、日々の業務のかたわら、開発に取り組んだ。それまでに培ったガラス基板をハンドリングする技術力やレーザー光学での知見と、あたためていたアイデアを生かして、既存のアクチュエーターやセンサー、冶具などを最適なバランスで組合せ、円筒内外面の面取り寸法の専用測定装置の開発に成功。2017年に特許を登録した(特許第6192128号)。

ボール形状の被検物をセットし、内面側の面取り寸法を測定中

本測定装置の特徴は、①レーザーを使った非接触型測定で、瞬時に測定できる。②測定者の練度に関係なく、測定結果に個人差が生じない。③測定と同時に結果を自動集計するため、高速測定が可能。④測定部の輪郭と数値を画像化して記録できることなどだ。

それまでは、面取り寸法専用の測定装置がなく、接触型のコントレーサーなどを利用していたが、正確な測定には時間もかかり、測定者の練度により測定結果が一定しないという問題を抱えていた。同社の面取り寸法測定装置はこうした課題を解決し、さらに高速高精度を実現できたため、ユーザーは従来の抜き取り検査から全数検査に移行。高品質で安定的な製造プロセスが確立できるようになった。また、熟練工でなくても操作でき測定結果に狂いがないため、人的コストカットにもつながる。人手不足に悩む業界に歓迎された。さらに、本測定器を用いれば、粗加工段階での測定も可能になった。加工プロセスの早い段階で検査し、不良品を除外することで、以降のプロセスの省力化やコスト削減にも貢献できる。

本測定器はニッチトップとなったが、その背景には、従来、面取り寸法の高精度測定を重要視していなかったことがある。しかし昨今、航空機業界などでは、全部品の厳格な高精度測定を求めている。その傾向は、今後ますます加速することが予想され、本測定器へのニーズは高まるだろう。風力や原子力などのエネルギー開発分野にも導入を広げたいという。
さらに、新たな開発課題も見つかった。航空宇宙業界で使われる「ネジ」に関する様々な測定である。ネジには有効径をはじめとする多くのデータが必要だが、測定困難なものが多い。それらを一度に、誰でも簡単に、すばやく結果が出る測定装置の開発に、2016年から3年計画で取り組んできた。先般、特許も登録でき、2019年3月の発売に向けて、最終調整を行っている。この新商品は汎用性があり、広い業界での利用を見込んでいる。
これからも同社は、企画・設計・製作・据付・メンテナンスの一貫体制を強みとして、まだ顕在化されていない市場・商品をいち早く手掛けることでイノベーションを起こしたいという。中小企業ならではの独創性を生かした開発に注目したい。

【動画】面取り寸法の高速高精度測定装置

【動画】測定風景

 

企業情報

有限会社丸之内マシーナリ

現在主流のメカトロニクス設計の他に、従来からのリンクやカム、スライダ、歯車などを用いた機構設計も得意です。生産設備の設計技術や試作機開発にも機転や小回りを利かせながら、共同で新技術開発を行ってきました。一つの主題に対して複数の新機軸を用いることを常日頃心がけています。少人数ならではの軽快なフットワークが自慢です。

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