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あらゆるロジスティックスの品質管理に活用。3軸の加速度と湿温度を記録する超小型データレコーダー「G-MEN」。株式会社スリック

2018.10.11

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本体は75.5(H)×60.5(W)×33(D)mm。タバコの箱と同じぐらいのコンパクトサイズ

学ぶべきポイント

  • 認知度を高めるためにネーミングにこだわり、G-MENという名前を商標登録
  • 先見性の高さと柔軟な姿勢を持ち、製品のデザインと操作性を重視

「G-MEN(Gメン)」というと40代以上の方は、かつて放映されていた刑事ドラマ『Gメン'75』を思い浮かべてしまうだろう。実はこのドラマ名をヒントにネーミングされたのが「G-MEN」である。広く認知してもらえるよう名付けられたこの名前には商標登録がされている。 犯人を追うのが『Gメン'75』の主人公たちの仕事だが、G-MENの仕事は荷物を調査することにあるようだ。さてそのG-MENの実体とは。

G-MENとは、2003年に株式会社スリックから発売された物流の環境を記録するデータレコーダーのこと。発売当初は販売が著しくなかったものの、2007年の中国冷凍ギョウザ事件発生を機に物流品質が問われ始めると徐々に売れ行きが伸びていった。そして現在は、主に精密機器を輸送する際の輸送環境を記録する目的で活用されている。またISO(国際標準化機構)の観点からも物流に携わる企業からのニーズがいっそう高まっているようだ。

このG-MENの具体的な特長とはどんなものだろう。 G-MENは、タバコ箱サイズの本体に3軸(X、Y、Z)の加速度センサと湿温度センサを内蔵。単3アルカリ電池2本で振動衝撃と温湿度のデータを約1.5ヶ月のスパンで記録できる。そして記録データは、内蔵のUSBポートからパソコンに簡単に取り込めてグラフ表示が可能。さらに標準添付ソフトウェア「G-TRACE.net」や表計算ソフトでデータ解析も簡単に行える。

標準添付ソフトウェア「G-TRACE.net」の画面。データ分析も簡単に行える

物流の環境状況をデジタル化して記憶できること。それがG-MENの強みとなり物流の世界に革新をもたらした。G-MENの発売以前にも機械式の振動記録計はあったが、それはゼンマイと感熱紙を使って測定する非常にアナログなシステムであった。しかも価格帯は20万円程度と高額なうえ、一台では一軸しか測定することができなかったのだ。このアナログな振動記録計と比べると、4万円台の低価格で3軸と湿温度までが測定できるG-MENが、いかに高性能で画期的な製品かがわかる。

同社はG-MENの開発期間に3年程を要したが、発売にあたり最も重視したのがデザイン性と操作性。より多くの方に使用してもらえるようデザインもコンパクトかつスタイリッシュなイメージにした。サイズのコンパクトさは、発売当時はまだ目新しかったUSBポートを採用することで実現できた。これはUSBポートがこれから浸透してゆくことを見通しての決断であったが、同社の先見性の高さを伺うことができる。
また操作性に関しては、あえてゲームソフト制作会社の若手女子社員に依頼した。これは説明書を読まなくても簡単に使いこなせるような、直感的に操作できるソフトを作成してもらうためであった。このような同社のものづくりに対する先見性や柔軟性を一つのカタチにしたのが、G-MENである。今日ではあらゆるロジスティックスの品質管理に活用されて、累計では20,000台以上出荷されている。

現在、測定する加速度に対応した3つの製品がラインアップされている。今後はより低価格なものと上位機種の2タイプが発売予定となっている。物流に対する品質管理が高まる中で、今よりさらに廉価な製品へのニーズが市場にはあるようだ。また上位機種に関してはGPS機能を搭載。荷物に不備があった際も、どの場所で起こったかが測定できるという。

GPS機能搭載で、3軸と湿温度に加えて位置・標高データまで測定できるようになる。

IT化社会の実現によって目に見えない情報を即座に届けることが可能になった。しかしカタチある荷物を場所から場所へと運ぶ物流のシステムの中では、荷物の安全性がますます重要視されていくだろう。そうした中でG-MENの果たす役割はいっそう大きくなっていくはずだ。

 

企業情報

株式会社スリック

弊社は、1992年の創業以来、情報機器、計測機器等の分野で独創的な製品を作り続けて参りました。 自社製品からOEM製品まで企画から設計、製造、販売まで手掛けております。

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