BREAKTHROUGH

IoT技術を活用して、新たな二次元コード「IoTCode」を開発。大容量化で「しゃべる名刺」ソリューションなどを提供株式会社 IT働楽研究所

2018.11.13

SHARE
  • facebook
  • twitter

IoTCodeでメッセージが流れる「しゃべる名刺」

summary

  • 創業以来蓄積したIT技術を活かして、ヘルスケア分野でクラウドサービスを展開
  • IoT技術を活かして、新たな二次元コードを開発。ソリューション販売を行う

2003年に創業したIT働楽研究所は、当初、IT技術者の人材派遣とシステムの受託開発を行っていた。特にシステムは、銀行や東京証券取引所をはじめとする金融系インフラなど、社会インフラと呼ばれるものを多く手掛け、システムの開発から運用、保守までを一体的に担い、高度なIT技術を培ってきた。

介護分野で自社製品「いきいき訪看シリーズ」をリリース

2010年頃まで自社製品を持たなかった同社は、高齢化の続く日本で、ヘルスケア分野は成長産業となるだろうと注目していた。特に看護事業者は、ハードワークと人材不足に加え、膨大な事務作業に疲弊していたが、当時は、IT技術の活用はあまり進んでいなかった。

同社は、いち早くクラウドサービスを活用し、2011年に「いきいき訪看シリーズ」をリリースした。いつでも、どこでも、タブレットからでもデータ入力でき、病院、介護施設、在宅看護での情報共有と円滑な活用を実現している。当時としては画期的なシステムだった。

たとえば、情報を一度入力すればさまざまな書類で二次利用され、入力の二度手間を不要にする。利用者ごとに異なる指示書の期限を知らせる仕組みをつくるなど、看護事業者のかゆいところに手が届くシステムを構築した。これは、ヘルスケア分野で実績のある株式会社三輪書店と協力して成し得た事業だ。現在は、三輪書店との合弁会社「いきいきメディケアサポート株式会社」が運営し、利用者からの意見や要望を元に、さらなる改良に努めている。

次の挑戦は、新たな二次元コードの開発

これまでの技術集積から、同社は現在、IoTCodeソリューションの開発を進めている。この事業は、二次元コード開発に詳しい東京工科大学などの大学や企業、さらに印刷関連で高い技術を有する企業などと連携している。これは、同社にとって産学共同開発という初めての挑戦だ。

二次元コードといえばQRコードが有名だが、同社のIoTCodeは3つの新たな特徴が加えられている。

 カラー化で大容量になったIoTCode

①大容量:既存の二次元コードは白黒2色だが、IoTCodeは8色。データ容量は約10倍の大容量化
②秘匿性:情報を暗号化し、パスワードを知る人だけに情報を開示する「秘匿性」という考えを導入
③互換性:IoTCodeは専用のIoTCodeリーダーで読み取るが、既存の二次元コードリーダーでも、その出力範囲で読み取りが可能

同社はまず、大容量という特徴を生かして、「しゃべるシリーズ」ソリューションを展開している。冒頭にある「しゃべる名刺」は、IoTCodeリーダーにかざすと、音声や動画でメッセージを伝えることができる。自己ブランディングや他社との差別化を模索する起業家やフリーランスなどに好評を得ている。

IoTCodeリーダーでスキャンすると、名刺にある情報はすべてスマートフォンなどに読み込まれ、クリックするだけで連絡帳ファイルなどに登録できる。「デジタルデバイスと直結できる名刺」として、すでに、ECショップなどで販売している。さらに、「しゃべるパンフレット」や「しゃべる招待状」など、新たな展開も模索中だ。

次に、秘匿性という特徴を生かして、「商品トレーサビリティソリューション」に注力している。これは経済産業省の平成30年度予算から「商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)」に採択された。 トレーサビリティの各段階にパスワードを付与することで、開示する情報と秘匿する情報を区別することができる。

さらに、「商品真贋判定ソリューション」では、暗号化されたIoTCodeとコピーされたIoTCodeを、スマホまたは専用のリーダーが識別する。利用者はIoTCodeをリーダーにかざすだけで、ニセモノを容易に見破ることができ、偽造品・模倣品対策として、活用用途は広い。

商品真贋判定ソリューション

これらはコンサルティングを含めたソリューションとしての販売や、IoTCodeの特許ライセンス料収益を見込んでいる。IoTCodeの生成や読取りは、ほかの二次元コード同様、無料で提供するため、安価で確実な方法として中小企業などにも導入が進むだろう。

株式会社IT働楽研究所 新事業統括 平岩賢志氏

多角展開の中心には、IT技術の蓄積がある

同社は、ヘルスケア事業やIoTCodeソリューション事業のほかに、2014年には、 MyanmarDRK Co., Ltd(ミャンマー働楽)を設立した。ミャンマーの人を採用し、日本語やIT技術を教育。ミャンマー国内でのオフショア開発や、来日して働楽グループや他の企業に就職する人などの支援を行っている。

多くの事業を多角的に展開している理由を尋ねると、同社の新事業統括である平岩賢志氏はこう答えた。「そもそも、私たちはIT技術者の集団です。これまでに培ってきたIT技術を活用して事業を展開しているだけで、どれも“根っこ”は同じ。これからも変わらず、IT技術の活用を進め ていきます」

取材日:2018年10月3日

企業情報

株式会社IT働楽研究所

当社は社会インフラに近い情報システムの開発・構築・運用業務を中心に展開してきました。その経験を生かし、ヘルスケア分野へIT技術を活用したクラウドサービスの展開、IoT技術を活用した新サービスの開発に積極的に取り組んでいます。

企業情報ページはこちら

SNSでシェアしよう

関連記事