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高精度な外観検査と柔軟な動作が可能な協働型双腕ロボット株式会社デクシス

2020.10.29

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独自の画像処理技術と双腕ロボットの組み合わせで、“目視検査員の業務をそのまま代行できるロボット”を目指す。

製品名=「人型外観検査システム『外観けんた君』」

多方向からの外観検査と、多様な欠陥の検知を1台で実現

検品における目視検査員の能力差による検査精度のばらつきに加え、人材不足や育成コストの負担を解決する手段として、ものづくり企業の注目を集める外観検査装置。しかし、従来の装置には「形状が複雑な製品の検査が難しい」「多品種小ロット品の検査では設定に手間がかかる」といった課題があった。これらを克服するとともに、“目視検査員の作業をそのまま代行できるロボット”を目指したのが、株式会社デクシスの「人型外観検査システム『外観けんた君』」だ。

同製品は、ABB社の協働型双腕ロボット「YuMi®️」※に、同社独自の画像処理技術を駆使したオリジナルカメラ「マルチプルイメージャー」(特許取得)を搭載。従来の外観検査では、傷・異物・白モヤといった種類の異なる欠陥を検出するにはそれぞれ別のカメラが必要だったが、同製品なら1台で複数の欠陥を検出できる。また、双腕ロボットならではの柔軟な動きにより、形状が複雑で多方向からのチェックが必要な製品の検査も可能。加えてAC100V電源で24時間連続稼働できるなど、運用コストも低く抑えられる仕様になっている。
※「人と一緒に働くこと」を実現する協働型双腕ロボット。重量38kgというコンパクトなボディに、自動停止装置をはじめさまざまな安全設計が組み込まれているほか、直感的な操作でプログラミングできるダイレクトティーチングにも対応。

プログラム不要の簡単設定で小ロット品にも無理なく対応

実際に人の隣に配置する際の安全面や設置スペースへの配慮も行き届いている。自動停止安全装置を備えているため安全柵も不要な上、当社独自の検査システムを含めても幅62cm×奥行き76cmの省スペース設計。これまで人による目視検査に頼らざるを得なかった多種多様な小ロット製品、多面体容器、異形状品、自立しない製品などの外観検査に加え、前工程のピッキングや後工程の組み立てといった軽作業にも対応可能で、製造ラインに直結することもできる。

さらに、複雑なプログラミングなしで、誰でも検査条件設定が行える専用ソフトウェアを開発したことにより、多品種小ロット品にも対応しやすくなっている。

従来にない人型外観検査システムの改善・開発を推進

同製品は現在、6社のSIer※からなる「CLUBけんた君」を通して全国に提供されており、自動車関連部品を中心とした金属加工メーカー、医薬品や化粧品の容器メーカーなど、さまざまな分野で導入が拡大。ユーザーからは「検査精度が安定し定量検査が実現した」などの声が寄せられている。

導入に際しては、検査予定製品と検査箇所、要求精度、サイクルタイム、予算などのヒアリングを行った後、画像検証やデモ運用を経て実稼働となる。導入後は遠隔監視、点検・修理対応、専用回線での問い合わせ対応、障害発生時の代替機の貸出などの各種保守サービス(製品代金に含む)が受けられる。

今後もAI技術の活用、別ロボットと画像検査システムの組み合わせなどを視野に入れながら技術を進化させ、“人の代替となる検査システム”の改善・開発を進めていくとする同社。次の時代に求められる製品を供給する同社に、自社は何が提供できるかと考えることが、ブレークスルーの近道になるかもしれない。
※システムインテグレーション(SI)を請け負う企業の呼称

取材日:2020年7月9日

企業情報

株式会社デクシス

1998年創業。「人の目に近づく新時代へ」をスローガンに、独自の画像処理技術と自動化技術を兼ね備えたメーカーとして、多彩な外観検査装置、表面検査装置、カメラ、画像処理装置などを提供する。千葉県に本社を構えるほか、工場を含む全国4拠点で国内需要に対応。またタイにも現地法人を設立して日系企業向けの事業を展開。

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