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広告代理店から転身し、住宅用制震システム事業で成功株式会社アイ・エム・エー ホームページ

2017.01.11

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木造住宅用制震システム「GVA(ジーバ)」

  • 広告代理店が建築業界に進出し、木造住宅用制震システムの製造・販売に挑戦。熊本地震でも確かな効果を証明した。

広告代理店から制震システムの製造・販売に挑戦

木造住宅用制震システム「GVA(ジーバ)」の製造販売を主力としている株式会社アイ・エム・エーは、広告代理店業務を主な事業として1991年に設立された。1993年から一般社団法人日本免震協会の機関誌の制作に関わることになり、代表取締役の新熊一生氏は編集作業や広告制作を通じて、大学の研究者や構造設計の技術者たちと交流を深めていくことになる。

1995年の阪神・淡路大震災では住宅の倒壊により多くの死傷者が出る事態となった。新熊氏が懇意にしていた構造計算の研究者が木造住宅向けの制震システムの研究を始めることになり、新熊氏もその研究に加わるようになる。「専門的な構造計算については全く理解できませんでしたが、実験の様子などを見ているとすごい技術だと思いました。長年お世話になっている先生でもあるし、実験の費用などで協力していたのですが、この制震システムを自分の会社で販売することになるとは考えてもいませんでした」

2004年に、スリーエムジャパン株式会社、株式会社カナイ、MASA建築構造設計室、東京理科大学理工学部の共同研究によって「GVA」が完成。新熊氏もアイ・エム・エーで製造と販売を行っていくことを決意する。

東日本大震災でGVAの採用数が急増

GVAは木造住宅の新築時に取り付ける制震システムで、スリーエムジャパン製の粘着性ダンパーが地震の振動エネルギーを摩擦熱エネルギーに変換することで、地震の揺れを最大70%軽減することができる。アイ・エム・エーでは展示会などでGVAをアピールする他、本業である広告代理店の強みを活かし、分かりやすいパンフレットや販売促進ツールの作成に取り組んだ。「実際に施主さんに説明するのは、工務店やハウスメーカーの営業担当者ですから、GVAがどのように優れているのかを分かりやすく説明できるようにして、既存の耐震工法と比べたメリットを訴える内容にしました」

全国の工務店へのDM発送、各都道府県の大手ビルダーへの営業や県庁所在地でのセミナーの開催なども実施したが、実際の売上げには結びつかない状況が長く続くことになる。「展示会での反応もいいし、施主さんが関心をもって話を聞いてくれるのですが、一棟あたり約百万円の追加工事費がネックになって、採用にまで至らないという状態でした」

しかし2011年の東日本大震災で状況は一変。全国の工務店からの問い合わせが増え、採用数も伸びることになった。2017年1月現在、GVAの採用数は全国で35,000棟に至っている。

地震の揺れを軽減する粘着性ダンパー

熊本地震でも制震効果を証明

2011年に開発した国土交通省認定耐力壁「X-WALL(エクスウォール)」は、中堅ハウスメーカーや地方ビルダーが自社ブランドとして採用。2016年の熊本地震の際、X-WALLを採用した熊本県内の76棟の住宅全てで大きな損傷はなく、アイ・エム・エーの制震システムの効果が証明される形となった。「近年は大手建材メーカーも進出してきていますが、市場自体が大きくなっていけば、自社の売上げも増えていくはずなので心配はしていません」と新熊氏は語る。最近では低コストの建物倒壊防止補強「SL-Cube(エスエルキューブ)」や、土嚢工法を用いた液状化防止地盤補強「ZEROシステム」を開発し、地震対策事業の幅を広げている。

2013年、アイ・エム・エーは「東京都経営革新優秀賞」を受賞。広告代理店から建築業界に参入し、新しい地震対策技術の事業化に成功したことが高く評価された。

建物倒壊防止補強「SL-Cube」

企業情報

株式会社アイ・エム・エー ホームページ

株式会社アイ・エム・エーは地震対策技術に特化し、木造住宅用制震システム、大臣認定耐力壁、液状化対策、軟弱地盤対策、ビル・マンションの1階部分補強技術などを展開しています。

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