BREAKTHROUGH発想を学ぶ

産業化への期待が高まるドローンビジネス

2016.07.27

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情報収集デバイスとしてのドローンの新たな価値とは?

  • 空撮、測量、点検、農業、物流、防犯など、さまざまな市場で注目されるドローン。国によるルール作りとともにドローンビジネスの本格化に向けた準備が進む。

ドローンの爆発的な普及と市場規模の変化

民間企業においては土木測量や点検作業などの分野でドローンを利用したビジネスが本格化しはじめている。日本国内の市場規模について『ドローンビジネス調査報告書2016』(インプレス)では、2015年度は104億円、2016年度は前年比191%の199億円、そして2020年度には1138億円(2015年度の約11倍)に達すると予測されている。2015年度時点で、サービスとして立ち上がっていたのは農薬散布と空撮だが、今後、橋梁などの検査や測量、農地・農作物の状態をきめ細かく制御する精密農業、防犯、物流などさまざまな分野でドローンの活用が見込まれている。 また機体の稼働台数に比例する形で、保険やメンテナンスなど周辺サービス市場も拡大するとしている。

情報収集デバイスとしてのドローンの新たな価値

現在のドローンは「空飛ぶスマートフォン」ともいわれるほど、IoT(モノのインターネット)の新たなデバイスとしての存在感を強めている。空撮情報だけでなく位置情報や赤外線サーモグラフィー情報など、さまざまなセンサーを ドローンに取り付けて情報の取得ができるようになっている。またそうしたデータは、クラウド技術との連携ですばやく大量に蓄積・解析が行え、データを活用したビジネスに適用することができる。ドローンの扱いやすさが大きく変わったのは、自律制御用のフライトコントローラーを搭載したことによる。それまでの農薬散布用の無人ヘリなどは操縦者の技能によって運用されてきた といえる。 2010年頃より、ジャイロセンサーや加速度センサー、地磁気センサーを組み合わせた、姿勢制御が可能なフライ トコントローラーをDJIが提供しはじめ、それを使用した業務用ドローンが日本でも製作されるようになってきた。 DJIはPhantomシリーズに代表される民生用でシェアを拡大したが、現在では4KのRAW動画撮影にも対応するプロフェッショナル機を販売するほか、マイクロ波レーダーを搭載する精密農業用の機体もリリースするなど、業務用においても大きなシェアを獲得している。

ルール作りとともに 本格化するドローンビジネス

航空法の改正など、さまざまなルール作りがはじまったことにより、2016 年はドローンビジネス普及のスタート地点と位置づけられている。国土交通省が積極的に進める「i-Construction」(建設現場でICTを全面的に活用する取り組み)でもドローンを使った写真測量が導入されるほか、メガソーラー発電施設のパネル点検などでもさらに利用が拡大するだろう。 また2017年に向けて政府により、ドローンに関する電波の取り決めや操縦者の免許制度、利用する企業の事業者 登録など、より事業展開に関連する省令化の検討が進むと思われる。 ドローンは有人機と異なり、通信システムで自律的に運用されることが想定される。そのためには安全な航空管制システムも必要とされる。アメリカではNASA(アメリカ航空宇宙局)がベライゾンと共同で、携帯電話の基地局を利用した管制システムの開発を発表 している。 ホビー用途として急速に発展した経緯から、バッテリーやモーター、無線機器など、根幹となるハードウェアの信頼性もまだ検証が必要とされる。 産業化に向けてさまざまな取り組みが進むなか、着実にドローンビジネスが本格化しているといえる。

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