BREAKTHROUGH新価値創造フォーラム

自社の競争力を認識することが「選ばれる企業」の条件

2017.01.31

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オンリーワンの技術を磨き、独自製品で社会に貢献。新価値創造賞の受賞企業3社のビジネスモデルに学ぶ。

新価値創造賞の受賞企業から得られるヒント

1月24日、東京・虎ノ門の中小機構にて「新価値創造フォーラム」が開催された。今回は昨年秋に行われた「新価値創造展2016」で、新価値創造賞・特別賞を受賞した企業3社によるパネルディスカッション「中小企業だからできる新価値創造とそのノウハウ」が行われた。パネリストとして登壇したのは、株式会社小松精機工作所(長野県)の常務取締役研究開発部部長 小松隆史氏、つくばテクノロジー株式会社(茨城県)の代表取締役 王波氏、関西電子株式会社(東京都)のナノファイバー事業部プロデューサー 近藤正博氏の3名。モデレーターは中小機構チーフアドバイザー 加藤義信氏が務めた。

最初に3社が自社の沿革と事業内容についてプレゼンを行った。時計産業からIT機器、自動車産業へと進出しながら、精密プレス加工技術を高めてきた小松精機。産業技術総合研究所での研究成果を元に起業し、レーザー超音波可視化検査装置の製品化を実現したつくばテクノロジー。商社から自社開発に乗り出し、夢の新素材として注目されているナノファイバーの量産装置を完成させた関西電子。新価値創造賞・特別賞の受賞につながった独自技術がどのように生まれていったかが語られた。


株式会社小松精機工作所 常務取締役研究開発部部長
小松隆史氏

つくばテクノロジー株式会社 代表取締役
王波氏

関西電子株式会社 ナノファイバー事業部プロデューサー
近藤正博氏

外部との積極的な連携で事業拡大を図る

次に外部との連携をどのように行っているかについてモデレーターより質問があった。学会に参加し、多くの大学との共同研究を積極的に行うことで、ネットワークを作っているという小松精機は「大学の先生が口コミで弊社のことを広めてくれる」という。つくばテクノロジーは展示会に多く出展してPRに務めている他、中小機構の支援も受けていると回答。「2020年の東京オリンピックは世界に自社技術を広めるチャンス」。すでに複数の大手メーカーと契約し、ナノファイバー化の研究を進めている関西電子は「将来はメーカー、商社、弊社の三社体制で事業構築を図りたい」と答えた。出席者は3社が作り上げたビジネスモデルから、自社の参考となるヒントを得ようと熱心に耳を傾けていた。

モデレーターの加藤氏は自身がアドバイスの際に使用している「価値を産みだす“選ばれる企業”チェックシート」を紹介し、中小企業の多くが自社の競争力を裏付けているものをきちんと認識できていないと指摘。「他社と闘うためには、自分たちの強みが何かをしっかりと把握する必要がある」とパネルディスカッションを締めくくった。


中小機構チーフアドバイザー
加藤義信氏

2017年の世界情勢の行方をどう見るか

続いて、千野俊猛氏(国立大学法人電気通信大学特任教授、100年経営の会理事長、前日刊工業新聞社社長)が「ものづくり連携による中小企業の持続的発展」と題した講演を行った。イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ大統領の就任など、2017年は既存の世界経済の枠組みが大きく変化することが予想される。長年日刊工業新聞で記者を務めてきた千野氏がジャーナリスティックな視点で、世界情勢、日本経済の行方、エネルギー問題、超高齢社会、産業構造の変化など、縦横無尽に語ってみせた。

リーマンショックを乗り越えてきた日本の中小企業は、「確かな実力を持つ企業ばかり」と指摘した上で、自社だけで悩むのではなく、外部との積極的な連携を通じて新製品の開発、新市場の開拓を目指すべきとした。日本社会の大きな課題である人口減少については、優れた技術を持つ「アクティブシニア」の活用を主張し、講演を締めくくった。


国立大学法人電気通信大学特任教授、100年経営の会理事長、前日刊工業新聞社社長
千野俊猛氏

この他、中小機構から昨年秋に行われた「新価値創造展2016」の報告と「新価値創造NAVI」やジェグテックの取り組みが紹介された。また2017年の新価値創造展は2017年11月15~17日に東京ビッグサイト(東7・8ホール)で開催されることが改めて発表された。

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